55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

コロナと同時に始まった早期退職生活(3)

 

早期退職以後、人との接点を持ったのは

 2020年4月から早期退職生活に入ると、感染拡大に伴う「緊急事態宣言×自粛生活」となりました。おかげで、誰かと連絡を取る、会うなどは成立しません。

 その昔、退職した方が、翌日からも毎日会社に来て応接スペースのソファに一日座っている…という都市伝説をリアルに体験しました。自分も早期退職してみると、その孤独がわかる部分もありました。しかし、コロナの日常では、どんな感情を持っても行動は限定されます。それは、私にとって幸運だったと言えます。

 そして、9月頃から不動産内見を始めます。

 実際に内見まで進んだのは8件。そのために不動産業者の方としゃべるのが、社会との接点、人との接点になります。

 

不動産購入の場で思い知ったこと

 当然ながら、業者の方も、内見する物件のオーナーも、「お客様が何者か」を確認してきます。この返事が難しい。

 まず、名刺がない。早期退職して無職なんですというと、やはり戸惑っています。

 こちらも、質問に答える・説明するという行為が難しい。それは、人としゃべっていなかったから(笑)。言葉が浮かばない、うまく説明できない、込み入った説明が理解できない…。客観的に見て不審者ですね。

 しゃべること、会話することも、遠ざかるとできなくなる。

 初対面の人から大きな買い物をする、取引をするという高度なコミュニケーションが必要なのに、これではあぶない。しかも、無職。

 

それでも購入まで進めたのは…

 要因は大きく二つ。

 一つは、ローンではなく現金一括購入であること。

 「ローン×審査」となると、時間・お金・事務手続きが増えます。しかし、現金一括となると、明らかに「この人に買ってほしい」に変わります。地獄の沙汰も金次第と言いますが、お金に勝る信用はないんですね。はい。

 もう一つは、元公務員。

 社会人としての最後の経歴は民間企業です。しかし、その会社は、俗にいう「一部上場企業」ではありません。業界内知名度はあっても、世間的には無名企業。業者の方の反応も今一つ…。

 これが、「元公務員で3月末に早期退職しまして」「昔から夢だった地方暮らしをしたいと思って」というと大きく変わる。現役時代は「公務員」ということで信頼や関係性が成立しないことも多かったのですが。はい。

 というわけで、私の価値は、どうやら「公務員×現金」のようです。

 「税金で食っている」と言われていましたので、公務員という職業とお金の話題とが精神的に最もしんどいことだったのですけど。はい。

 

コロナ禍の内見のメリット(個人の体験ですが)

 内見中、業者の方は外にいます。感染予防です。

 おかげで、俗にいう「営業トーク」「マシンガントーク」を浴びることがありません。「納得」するまで、自分の中で「結論」が出るまで、「論点」を言語化するまで、ひとりで部屋を見れます。

 これは、楽でしたね。

 ちなみに、2020年のこの頃、価格は今ほどではありませんでした。

 私が内見した越後湯沢のリゾートマンションの部屋はすべて売れています。今残っているのは「眺望が期待できない下層階」の部屋のみ。それでも、価格は内見した上層階物件より高くなっています。泣く泣く諦めた軽井沢の物件の価格は、内見時比で「倍」です。諦めずに購入しておけば…ですね。

 

 不動産購入は、「老後の暮らし」を真剣に考えるきっかけになりました。

 老後を想定すると、越後湯沢や軽井沢はあきらめざるを得ないのです。

 そういう学びを通じて、想定外の多い早期退職生活が少しずつ落ち着いてきます。

                       つづく