テーマ「教育・学習支援」
共通テストが終わり、出願に進んでいます。
知り合いの先生のお手伝いで始めた学習支援が、医学部受験のお手伝いまで進むとは思いませんでした(笑)。
私だってよくわからない世界なのですが(笑)、医療従事者に求められる適性・資質や、背景にある倫理観・価値観とその変遷を中心に、生命の尊厳と先端医療への対応を文章化・ワーク化しています。
目次
医療の変化とその背景について
◆従来の医療は、パターナリズム(父権主義)に基づく
パターナリズムとは「子供は無知でまだ十分な判断力がないから、父親が子供のためになるように判断を下し、子供はその判断に従うのが正しく、それが良い父子関係である」という価値観です。
これを医療に置き換えると「患者は、医学について無知で十分な判断力がないから、医師が患者のために最善の医療を決定し、患者は医師の決定に従うのが正しく、それが良い医療である」となります。
◆パターナリズムを背景とした「従来の医療」
・医師と患者の関係性は、医師を主とする主従関係である
・医師には裁量権があり、患者の判断や意向は尊重されない。
・患者は、病状や治療に関する情報を与えられることなく、医師の判断に従うしかない。
しかし、1970年頃からこうした医療のあり方は見直され、
「生命倫理」に基づいた新しい医療に移行していきます。
◆「生命倫理」に基づいた新しい医療(患者中心の医療)
・医師と患者の関係は対等である。
・医師は、患者の人格・人権を尊重する。
・医師は、患者の自己決定権を尊重する。
・患者が治療に関する自己決定を行うために、医師は病状や治療方法に関する十分な説明を行い、同意を得て医療行為を行う(インフォームドコンセントの重視)。
この生命倫理に基づいた新しい医療が「患者中心の医療」です。
医療の考え方を、今の世の中にあてはめて考えてみる
◆政治家やコメンテーターの発言を考えてみる
発言はその人の価値観を反映します。
発言の背景にある価値観が「パターナリズム」なのか「国民中心」なのか、医療の価値観にあてはめて考えると面白いです。
全体に「インフォームドコンセント」が不足な感じかもしれませんね(笑)
◆医療関係者への感謝
世間には「新型コロナに対する偏見・差別」があります。
それを正当化する行為や意見もあります。
一方で、医療関係者だけなく、教育・福祉などなど、エッセンシャルワーカーの方々は、例えば感染した方の「国籍・年齢・性別・社会的立場・収入・(感染原因)・・」などの属性に関係なく、その人の生命を守るために全力を尽くしています。
医師に求められる適性・資質には、人としてのあり方が凝縮されている
◆人の生命と尊厳とを守るお仕事
となれば、そこには高いモラルが求められます。
でも、それは医師・医療従事者だけなのでしょうか。
政治家・報道・マスコミはどうでしょうか。
◆職業的使命感につけこむという悪意の存在
医師と患者とが「良い意味で対応」であるためには、患者も病気を理解し治療に関わっていくことが求められます。いわゆる「協働」ですね。
ただ「患者中心」という価値観から、患者側の権利が必要以上に主張されることがあります。これは病院だけでなく、学校でも近所のスーパーでも同じ光景を見ることがあります。
エッセンシャルワーカー側の職業的使命感につけこんでくるんですね。
明らかに悪意があると感じる場合でも強く反論しないのは、職業的使命感による習性かもしれません。でも、心が折れることが多いです。
そんなことを思いつつ、学ぶ今日この頃です。