お手伝いしている学習支援で、医学部小論文のアドバイスの依頼があり、取材や模範解答の作成をしていました。
この手の「書く作業」をしている時、並行してブログを書くというのは、結構難しいですね。小論文の模範解答作成で頭がいっぱいになります。
…そもそも、私は先生でも理系でもないのに何をしているんでしょうか(笑)
何となく、医療・福祉行政の端っこにいたことはありましたけど…。
小論文で問われるのは…
医師としての適性ですね。医は仁術ってことです。
ゲーム的なケーススタディでは
・輸血が必要な患者が3人いる。ところが血液が2人分しかない。
・すぐに処置しないと危険な状況だが、患者には支払い能力がない。
・告知をしないと適切な治療ができないが、告知を望んでいない。
みたいな感じですね。
医師の考え方
・3人とも助ける方法を考える
・まず、命を救う
・患者と家族が人生をどのように考えているかを探る
だそうです。
こうした「医療関係者の善意」が、今の日本を支えていることを実感します。
医師に求められる資質を根拠に考える
例)世間の価値観はこのように異なります。
・祖父母 告知は自分にも、家族にも不要。
・両親 自分には告知して欲しい。しかし、家族に告知はできない。
・子供 告知って必要でしょう。
↓
医師には、多様なニーズに応える知識・技量・人間性が求められる。
例)重い障害があって、自分では身体を動かすこと、意思表示をすることもできないので、何とかしてほしい(寿命を縮めてもいい)というリクエストに対して…
↓
「どんな状況にあっても、人間は尊厳を有しており、幸福に生きることができる」というのが、医療人のモラルである。
受験勉強について
大学の理学部を出てから、医学部に編入した経験のある方に聞くと
ある現象に対し…
・理学部→ 証明することが求められる → 深く考えることが必要
・医学部→ 結びつけることが求められる → まず知識が必要
そもそも、医学は膨大な知識量を飲み込むことから始まるからね…と言います。
もちろん、暗記するために「関係性を構築して理解する営み」を頭の中で作るそうですが、それよりも「単純な暗記を進めるタイプ」の方が、医学部受験にはあっている方だそうです。
一方で、医学部受験生に求められるのは「命とは」「生きるとは」「幸福とは」から始まる「そもそも系思考力」。科学の進歩に対して「倫理」が追いついていないことが、多様な価値観の背景にあるわけで、このあたりが医師としての人間性やモラルのベースになるんですね。
医師という職業の価値
お仕事でおつきあいのあった医師の方々には、確かに難しい部分がありました。
それを「頭のいい人ってさ(笑)」で片づけてはいけないと思っています。
命を預かりながら、多様な価値観にも接しているのです。中には、患者自身が命や幸福の価値を否定することもあるでしょう。
これは、医師や医学の否定なわけで、そのストレスは…だと思います。
今回の機会は、医師と言う職業の意味や価値を再認識することになりました。
仕事を辞めてわかる、仕事の価値ですね(笑)