公務員時代、社内研修のレポートをたくさん読みました。
もちろんお仕事。
その経験は、今のお仕事につながっています。
◆公務員試験の監督(論文)をして気になっていたこと
それは、開始と同時にすぐに書き始める受験生がほとんどなこと。
テーマを見た瞬間から書き出すんですね。こういう受験生は、20分ほどで書く手が止まります。
一方で、開始と同時にメモを取り、構想を練る受験生もいます。こういう受験生は、周囲の手が止まった20分過ぎから書き始め、そのまま書き切ります。
合格するのは後者ですね。
◆出題の意図を理解すること
合否をわけたのは、「出題の意図」の理解です。
小論文に正解はありませんが(笑)、確実に不合格になるものはあります。それは、出題の意図からはずれた論文。出題の意図を理解せずに書いているんですね。これはダメ。どんなにすばらしい論文でも0点。
「地域医療について述べよ」というテーマに対し、冒頭で「地域医療について福祉の観点から述べます」と始まるパターンですね。この視点でも良いのです。それが「地域医療の内容」ならば。しかし、多くは「福祉の内容のみ」「地域ではない一般論」だったりするのです。たぶん「医療・福祉の共通点・差異点」、「一般論としての地域と受験している地域の違い」がわかっていないのですね。
◆今回は、このようなレポートを添削すること、改善することもお仕事の一つ
みなさん有名進学高校の在学生、超難関大学出身のはずなんですけど、意外と完成度が低いのです。大人の研修レポートの方は、おそらく研修へのモチベーションが低いのが原因ですね。
私にも身に覚えがありますが…、強いられた研修ってなかなか面倒なもの。研修に参加するために通常業務を片付け、スケジュール調整をする段階でもう限界(笑)。
となると、レポートはやっつけ仕事になります。
わかるぞ! 身に覚えがあるぞ! 怒りが文面からにじみ出ているぞ!
◆というわけで、出題の意図を理解しないままで書き上げても完成度は低い
そういうことです(笑)。
出題の意図は複数あり、それぞれの意図に回答することが求められます。
そのためには、意図を読み取ることが前提。この前提が…(泣)。
というわけで、「解説原稿」を書くことになりました。
緊急オーダーですね。お仕事ですからありがたいのですが、若干複雑。
だから、大学では卒業論文を書かせること、高校では探究学習を進めることが重要なんですけどね。