55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

高校生の学習支援、先生のお手伝いから

 お仕事とは別に、高校生の学習支援も続いています。

 先日は、こんな小論文が届いて、「コメント×アドバイス」を求められました。

 

高校生の主張

 とある地方自治体が舞台。その村には病院も常勤の医師もいるが、人口当たりの医師の数は、全国平均以下。これは、この自治体・地域だけの問題ではない。日本の社会課題だ。解決には、病院を増やす、医師を増やす、過疎地域の人口を増やすことが必要だという主張。

 具体的には、医師を目指す若者は過疎地域に率先して赴任すべきなので、それを義務付ける。過疎地域の自治体は「スポーツチーム」を誘致・設立して、若者の移住を促進する(バスケットとか、バレーとかですね)というもの。

 

高校生の主張の評価点、問題点

 評価すべきところは、医療格差・医療資源の配分という大きな社会課題に気付いたこと。スポーツチームの誘致という、割と効果の大きな方法に目を付けたこと。

 問題点は

 ①医療も行政も、医療格差の解決に取り組んでいることを知らない

 ②舞台となった自治体の予算規模・地理的条件・既存施設では

  「メジャースポーツ」の誘致は難しいことに気付いていない。

 論文の評価で言えば「先行研究・先行事例への調査不足」なのですが、その前に「医師や公務員は、地域の問題を放置している」という思い込み・怒りがあるのです。ですから「問題点」は「これでもか!」と提示してあるのですが、「解決への取り組み」が…。

 

よくある「解決の発想」

 ①課題や問題点を「反転」させれば解決…という単純な発想

 「病院が足りない⇒増やせばいい」「長時間勤務が問題⇒定時で帰ればいい」です。

 今回の論文も同様。

 ②「社会課題」を「個人課題・個人の責任」にすり替える

 「医師の偏在」という社会課題を「医師個人の問題に言い換えて責任を問う=ルールで拘束」する発想ですね。

 

社会課題を個人の責任にしても解決しない

 医師不足は医師の責任、いじめは先生の責任、コロナで修学旅行が中止になったのも先生が悪い…社会課題を個人の責任に押し付ける発想・発言が多くの人を苦しめています。個人では解決できない社会課題の解決を、個人の努力に求め、責任を問う場面も多いです(某政党の主張とも重なりますが…)。

 そういう思考・発想が、高校生の文章にも表れています。

 ということを、学校の先生が言うより、先生以外の人が伝える方が説得力がある…ということで、私にまわってきたんですね(笑)。

 

 明るい日本の未来のために、頑張ります。

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