大学入試の小論文には、予備校などに専門家がいらっしゃいます。
大学では初年度教育があり、企業にも社員教育の専門部署ができました。
そんなわけで、詳しいことはそちらにということで…。
◆まず、計画性が大切
全体の構成(段落構成)を見ます。
大きく「序論・本論・結論」になっているか、「実験・観察レポートのような形式」になっているか、どちらかですね。事前提出系のもの、時間字数の長いものであれば、「見出し」の活用も大切です。
要するに「視覚的にも読みやすい論文」「全体の構成からも主張が伝わる論文」であることが評価を高めます。
◆計画性の弱い文章によくあること
昨今、SNS、noteなどで「ネット文体」と言えるものが出てきました。一文ごとに改行する、改行後の文頭を一文字空けないなどですね。
この文体で、小論文やレポートを書く人は実在するんです(笑)。俗にいう「原稿用紙の使い方」で書いて欲しいのですが…。
また、計画性が弱い人は、「一文がやたらと長い」傾向があります。
同様に、「考えながら書く」「思い付いた順番で書く」という傾向もあります。そのため、一文の中で、あるいは同じ段落内で、「同じ語句・同じ表現・同じ内容」が繰り返し出てきます。
というわけで、まず「見た目」で評価を下すことはできるのです。
◆しかし、評価側は、見た目で評価を下すことは許されません
段落構成や見出しがなく、一文が長いもの…。そういう小論文は、読むのが苦痛なんですね。しかし、段落構成や見出しがなくても、内容はきちんと読み取るのが採点者側の義務です。
ですから、ある意味で「計画性が弱い文章」ほど「高い集中力・緊張感」をもって最後まで読み通します。見出しや構成があれば、そこに示された情報から本文を読む前に全体の内容が把握できます。しかし、見出しや構成がない場合、本文からすべての情報を読み取る必要があるからです。
そして、集中・緊張を維持して読み終えて、どっと疲れます。
どっと疲れますが、ちゃんと読んでます。むしろ、計画性が弱い文章ほどちゃんと読んでいます。ですから、評価は適性に行われています。ご安心ください(笑)。
◆身につけておきたい思考パターン
小論文は「論文」です。論文ですから「考察と考察の過程」を示してほしいのです。
ところが、考察がない小論文も少なくありません。知識や感情の羅列で終始するのです。というわけで、身に付けておきたい4つの思考パターンはこれ。
①論理性
・根拠・理由・主張を伴った思考・説明ですね。
②比較からの考察
・対比事例から、テーマの多様性・多面性の考察を深めるものです。
③問題発見と問題解決
・定番ですね。
④システム思考
・課題の背景にある複数の要因を「課題を生む悪循環」として構築することですね。
◆小論文って、ある意味で「人」が出る
「見た目」と「中身」なんです(笑)
イケメンである必要はありませんが、「ドレスコードと清潔感」が大事。
「言葉遣い」「思考の統一感(ブレがない)」「思考の深さ(気遣い)」「思考の手法(マナー)」が、評価を決めます。
そういう意味で、「過程」がとても大切。「過程=計画性・構想を練ること・表現を工夫すること」が、大事なんですね。
というわけで、お仕事に戻ります。