YouTubeのコンテンツに、来日した海外の方に日本食を食べさせて…というものがたくさんあります。国際結婚したご夫婦で、奥様の実家(日本)に帰省した子供たちが日本食をもりもり食べる(普段は色が細いらしい)なんてのもあります。
海外の方には日本人より本音と建前の部分がありますから、日本食を絶賛する言葉をどこまで信じてよいかという根源的な疑問があって、これだけで「日本食はすばらしい(とは思っていますが)」と主語を大きくするのは…と感じています。
相性ってありますしね。
海外生活は1カ月が最長な私ですが、パンと肉とは硬い方が好きなこともあり、かつやや偏食傾向もあるせいか、海外暮らしで食事に困ったことはあまりないです。
毎晩、赤身肉のステーキやソーセージとジャガイモが続いても平気です。やはり、肉は「塊」で食べるのが好きでして、もちろん薄切り肉・さしの入った肉のおいしさもわかるのですが、それより…です。ただ、オートミールだけはちょっと…。
コンテンツの中には、義両親を日本に招き京都などを案内するものがあります。
植物学者の義父を鹿苑寺に招くと、金閣よりも鹿苑寺の「庭としてのデザイン・植物の配置」に興味を持って「これはすばらしい」と感嘆するものがありました。
建築家・大工さんの義父と清水寺に行くと、屋根の構造などを観察して解説し始めるものがありました。
なるほどな…と思いました。
明治維新直後、日本の美術作品の価値を認めて保護活動を始めたのはフェノロサでしたし…もう一度海外の専門家に日本の価値を再発見してもらった方がいいかもしれませんね。
ただ、これは逆もあって、やっぱりウィーンで聴くモーツァルトはとってもよいです。クラシック音楽もモダン化が進んでいますが、たとえばウィーンで生まれ育ち、そこで音楽家になった方の「オールドスタイルの演奏」ってたまらないものを感じます。ドイツ語圏のオーケストラしか指揮したことがないみたいな「無名のローカル指揮者」のベートーヴェンって、ものすごく自然で楽しい演奏だったりします。そういう価値って地元の人より日本人の方がわかるかもしれません。
今の世の中って変に理屈をこねすぎなのかもしれませんね。
(あるいは、逆に教養の低下か…)
今日もこれから原稿書きですが、理屈をこねるのではなく自然の流れを大事にしながらと思います。難しいことを楽しむには、理屈から離れることが大事なのかもしれません。