
◆学習支援の小論文教材に
要するに、大学入試の小論文過去問なのですが、「不寛容社会について述べよ」ってのがあります。
今年の小論文講座の第一問はこれ(学校の先生が決めたものですが)。
そうですね。なかなか難しいですね(笑)
◆寛容な社会が、不寛容を容認しているという逆説
不寛容社会というと、世の中が窮屈になっている、生きづらさが増しているというネガティブな発想に進みがちです。それはそれで、そのとおりです。しかし、まぁ、その、あの、あはははは、ええと、ネットニュースのコメント欄が荒れていたり、SNSで攻撃することが不寛容というのは理解としては浅めかもしれません。
不寛容な意見が制限されない世の中、不寛容な意見でもその発言が容認されるほど表現の自由が進んだ世の中という逆説的な発想があってもよいでしょう。
◆日本社会で犯罪は増えているのか?
あらゆる職業の人の立場を悪用した犯罪が報道されています。犯罪が、年齢・世代を根拠に語られることもあります。そういう報道を見ていると、犯罪件数は増えていて、もう日本はダメだとか思い込んでいる人も少なくありません。
しかし、統計を見ると、犯罪件数は減っています。日本の治安は良くなっているのです。警察、頑張っているんです。そして報道機関は必死になって犯罪を掘り起こして報道しているんですね。
ただし、凶悪化(殺人など)、被害金額の高額化(詐欺など)は進んでいます。
一言で言えば、件数は減っているのですが、内容が凶悪化しているんですね。
この事実を見逃すと、大学入試の小論文では致命傷ですね。
◆確認すべき事実とその仮説
ネット上の不寛容な発言は増えているが、発信者は限られている。
ネットの上の発信者は限られているが、不寛容性・攻撃性が増している。
なんて仮説が立ちます。これにそって統計調査ですね。
もう一つは、発信者の発言の根拠です。
そのほとんどは、当事者ではなく事実を知らない人です。ということは、不寛容な発言の根拠は、「切り取られた情報」「複製された情報」「情報が生んだ情報」「発信者の先入観と結びついた主張」と考えられます。
そもそも「不正確な情報」「結論ありきの主張」ですから議論になりません(笑)。
自己の主張を一方的に正当化するだけです。つまり、「不寛容性・攻撃性の正体は、
思い込みの正当化」という仮説も可能ですね。
◆リテラシーの境界線
問題解決や創造性につながる「批判性」は大事です。
しかし、単なる否定や正当性の主張は、別な問題を創造したり(笑)、世の中を窮屈にするってことですね。
「リテラシー」は、「公共性」ともいえます。
ルールのために誰かを犠牲にするのではなく、みんなが自由になるためにルールの意図を理解して行動することなんですよね、公共性って…と思う今日この頃。
今日はこれから大学のレポート提出です。