55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

人間関係も断捨離してよかったとしみじみ思うこと

 

 西日本のある小さな市の議会と市長の関係が少し話題になっています。

 市町村合併前に、それぞれの町がハコモノを作る。ハコモノができて30年前後経過して、その修理・改修・維持費で市の財政が圧迫される。合併前と比べると1万人近く人口が減っているので、道路・上下水道などのインフラ維持も困難が予想されるほど市の財政的体力を落ちている。

 ハコモノは、指定管理者に経営・運営を任せ、民間活力による価値創出・黒字経営を目指した。しかし、指定管理者も黒字経営にすることはできず、市による財政援助(つまり赤字補填)が続いている。そこで、市は、指定管理者に経営が改善しない場合の援助の打ち切りを伝え、経営改善の助言をするようにしている。

 公営施設には、「指定管理」と「市による直営」がある。

 直営施設について、維持存続が難しい場合は、「指定管理者への委託」「休止・廃止」の選択になる。「指定管理施設」について経営の改善がみられない場合は「指定管理者の契約破棄」「市による直営」「休止・廃止」となる。

 

 で、どうやら「指定管理者による赤字経営×市による財政援助中」の施設の経理にあまり好ましくない状況があったそうです。

 変な話ですが、指定管理者としては「赤字経営」の方が都合がよいことがあるんですね。赤字経営であれば、公金による財政支援が受けられます。つまり、利益を出さなくても、自分たちの給与は確保できるということ。ですから、意図的に赤字にするか、赤字になりそうな施設の指定管理者となって経営努力をせずに公金によって事業・生活を維持するという悪質なケースがあります。

 

 今回のケースは、指定管理者が経営している施設を、一時的に「市の直営」にしたら黒字になった…というもの。「公務員は経営センスがない」はずですが、「民間から公営にしたら黒字になった」という非常にレアなケース。

 ちなみに、その施設を「市の直営」にする際、市議会議員から抗議があったそうで、その議員は、指定管理者を「友人」と言っています。

 

 この件ですが、考えられることはいくつかあります。

 まず、単純に「指定管理者」が私腹を肥やしているということ。いわゆる「利権」ですね。その利権が奪われそうなので、市会議員をしている友人に泣きついて、行政に圧力をかけようとしているというシナリオ。ま、これでも十分悪質ですが、これはよくあるレベル。

 最悪の想定として考えられることは、マネーロンダリング

 市の直営にしたら黒字になったということは、どこかに「使途不明金」があったということ。そのお金はどこに行ったのか…。

 税務調査をして、使途不明金=所得隠しであれば、脱税・修正申告・追徴課税となります。これだと、指定管理者個人の問題ですね。

 ただし、使途不明金が、特定団体や政治家などへの利益誘導のための「裏金」だとするとことが大きくなりそう。単純にすると「公金→指定管理料→団体や個人の政治活動費」という流れですね。ちなみに、その地域は、公職選挙法違反(賄賂)で大臣が逮捕されたり、議員が辞職するという事件が最近あったばかり。

 

 さてどうなるのか。

 当然ながら、利権を得ている人は、その利権を分配することで「共犯者」を増やしているでしょう。いわゆる「越後屋」ですね。「お主も悪よのう」です。

 ただ、客観的に見れば「共犯者」とみなされる人の中には、「善意の第三者」と言いますが、「助けてもらった」「恩がある」などと言う人もいます。その施設の利用者もそうでしょう。本人も気づかないうちに逆らえない関係性に巻き込まれているんです。

 そういう人たちは、裏金を作った人ではなく、裏金を暴いた人を「悪」と認定することが多いです。そして、裏金を作った人がなぜかヒーローになることもあります。そういう人が多数決を支配するとどうなるか…ですね。

 

 念のためですが、不正を暴く人を悪とする価値観はどこにでもあります。ただし、人口が少なく、人間性が濃い地域だと、気づかないうちに、結果的に自分も悪に加担していることがあります。これが「村社会」。そして加担すると「ムラのオキテ」に逆らえなくなってしまう…という流れができます。これに巻き込まれないためには、その土地を離れるしかありません。過疎化が進みますね。

 

 早期退職と同時に、人間関係も断捨離してよかったと思います。

 ま、不義理も多く、罪悪感も少なくはないです。

 でも、「巻き込まれない・干渉されない」ことで、個人の自由が守られています。

 そんな移住生活、満喫中です。