55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

早期退職した理由は その12

 

 秋になりましたが、「公務員早期退職後の暮らし」は白紙のままです。

 思い出すのは、特に不安や動揺はなく、清々しい気持ちであったこと。

 そして、秋の学会シーズンが始まります。大学との共同プロジェクトについては、ここで発表の機会もあります。発表に関しては、官公庁用語でいうところの「情報公開」を徹底しました。手の内はすべて見せる。失敗も公表する。

 

 報道の世界では、「ニュースソースの秘匿」は重要です。情報を提供してくれた人を守るためには大切なことです。

 しかし、学問の世界で「根拠を示さない・出典を明らかにしない」はあり得ません。主張に対する根拠・出典の明示は義務です。

 発表では、プロジェクトを進めていくうえで実際に発生したトラブルを題材に、「人口減少社会における課題解決、未来を根拠とした施策を阻害する要因」という項目を作りました。そこでは、人口増加期における成功例(たとえば、箱モノ行政や指定管理者制度、町おこしや婚活のイベントの周辺で動く「有力者による利権誘導」など)が未来の負債となることを学問的に実証しました。

 過去の成功例は、未来では「悪意」になる。

 人口減少社会における社会課題の解決に取り組む時、最もコストがかかるのは、こうした「悪意の排除」なのです。この場合のコストとは、お金の問題だけではありません。時間や人的資源なども含みます。

 これを「悪意のコスト」と名付けて提示しました。

 悪意にかかるコストのために、結局「税金が浪費される、職員の能力が削られる、人口減少のスピードに解決が追い付かない」ということです。

 

 「悪意のコスト」は、少し話題になり、評判になりました。

 発表内容は、悪意のコストを産む人的要因である直属にとって非常に不快感が高いものですが、発表内容も高い評価を得ることができました。それは、直属の上司に対する評価・賞賛にもなります。

 念のためですが、意図してそういう逆説的な状況を作ったわけではありません。

 

 その頃、陰謀好きな人たちが作った「私が公務員をやめるらしい」という噂が、広範囲に広がっていました。

 その噂を聞いた方から「辞めるならうちにこない」というオファーが入ってくるようになりました。そして、11月中旬に「再就職」が決まりました。

 

 再就職が決まった頃、父は一人暮らしの自宅でボヤ騒ぎをおこしました。

 認知症の進行が、社会生活の維持を難しくしていました。