妻もバブル時代に就職しました。
バブル期に入社した女性社員で、まだ在籍しているのは妻一人。
結婚か妊娠のタイミングで退職することが普通だった時代なのです。
妻は私のように転職も早期退職もせず、22歳で就職した会社でまだ働いています。産休や私の転勤につきあって地方勤務をしたことは、当時はキャリア的に不利なことでした。しかし、今となってはそれが彼女のキャリアとして評価されているそうです。時代の変化ですね。
妻は今年、新入社員の1年目研修も担当しているそうです。
一緒に担当したバブル世代の男性社員のオフレコ的ボヤキは…
「僕たちが結婚した時、妻に働かせる男は犯罪者のように言われ、女性はみんな専業主婦になった。でも、今は、妻を専業主婦にさせることの方が犯罪だよね」だそうです。
研修中の若手社員の価値観は、共働きで当然とか。
男女問わず、働き続けることを希望していて、それは経済的なことという現実的側面もありますが、それ以上に社会貢献や自己の能力を磨きたいという意識の方が強いそうです。ですから、自己の未来については、「今の会社で定年まで働き続けること」「機会があればより働き甲斐のある企業へ転職すること」の両方を想定しています。
若手社員のそういう未来想定が「理解できない・受け入れられない」というベテラン社員も少なくないそうで、「新人のくせに何を考えているんだ、生意気だ」という言動に出てしまう方もいるそうです。今は、そういうベテランの方にお引き取り頂く時代ですね。
妻は産休は取りましたが、育休は取りませんでした。制度としてはあったのですが、取った人がいなかったのです。産休から職場復帰すると、妻の会社では「ご主人は何をしているのか、どんな人なのか」が話題になったそうです。面白がった妻は「夫は公務員で…」と少しうつむきながら返答したとか。これが「公務員=使えない=妻に子育てさせながら働かせる甲斐性のない男」ということになり、妻の社内評価は「女のくせに家庭をほったらかしている変なヤツ」から、「甲斐性のない夫を養いながら子育てをするスーパーウーマン」にかわったとか。
ちなみに、最近の私は「女性の自立に理解ある夫」に昇格したそうです。
ただし、その実態は早期退職して地方移住してリモートワーカーになった「副業主夫」。専業主夫ではないんです。副業主夫。兼業主夫でもいいかもですね。
これが、「これから時代の新しい選択肢」なのか、「単なる社会不適合者」なのかは意見がわかれると思います。ただ、当事者としては「副業主夫・兼業主夫」の暮らしはなかなか快適で幸福です。
これが、静かな老後の入り口なのではないか…とも思う今日この頃です。