55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

自分の中の古い価値観も断捨離へ

 

 初めての社会人生活はバブル期。

 公務員に転職すると「中途採用・経験者扱い」。

 そんなわけで、「仕事は見て覚える」でした。まぁ、仕事の「本丸」は専門性が強かったのでそれはよいのですが、やはり「組織の習慣的なもの」や、公務員になってからは「書類作成(仕事の前提・準備、記録・報告)」ってのがけた違いに多く、ま、でも公務の半分は「記録を残すこと」でもあるわけで、書式などもふくめ「書き方」を覚えるまでは苦労しました。

 ちなみに、当時はまだ「手書き」。で、書類のデータを事務からもらい、「PC作成×マクロ」で時短・効率化を進めたりもしました。

 

 さてさて、で何が言いたいかというと、お仕事は「見て覚えろ」「自分の頭が考えろ」の時代です。それを否定するわけではありません。ただ、そうなると「一人で頑張るしかない」「耐えるしかない」「とにかく寝ずにやるしかない」という思考に走って、自己を追い込んでいくケースがあるんです。こんなことがありました。

 ある日、夜9時ころ書類整理を終えて帰ろうとすると、Aさんがまだお仕事中でした。ただ、少し様子がおかしいのです。手が動いていないんですね。声をかけると目が虚ろ。

 机には「未記入の書類」があります。明日の朝、上司に提出しないといけないそうです。何を書けばよいかわからないそうです。上司はとっくに帰宅しています。ちなみにAさんは私と同期入社。ただAさんは新卒、私は院卒×転職なので年齢は離れています。で、新卒の新人に「自分の頭で考えろ」と言っても無理なことがあります。

 というわけで、社内にいる同僚・知人を集め、みんなでワイワイ言いながらAさんの書類を作成しました。1時間もかからず完成した記憶があります。この経験から、「多様な人間が集まると、お仕事の効率も質も向上する」ことを知りました。多様な人間の中に「新人」を入れてチームで進めれば、新人から学ぶこともあるし、新人も学ぶことができる。そして、みんな定時で帰宅できるってことですね。

 こういう環境の中でなら「見て覚える」「自分の頭で考える」も有効だな…と思い、ではどうすればよいか…ということから「ファシリテーション、チームつくり」の勉強を始めたのですが、しばらくすると私の目が虚ろになってきました。勉強をひとりで頑張ってしまったのですね。

 

 カウンセリングに通うと、そこで「自分に向き合いすぎてはだめですよ」と言われました。これはですね、頭でわかっていても、実践は難しいです。

 昭和・平成の価値観では「自分に向き合うことが美徳・人格を高める」ものです。それが「刷り込まれて」いますから、「自分と向き合わないことに罪悪感・恐怖」があります。

 

 その後の私ですが、お仕事は「チームで」をある程度実現できました。しかし、自分のこと、つまり「転職や退職」「家族の介護と仕事の両立」などは、あまり人に相談することなく自分で決めました。「家族の介護」に関しては、「家族の問題・自己責任」であって、「それを仕事に持ち込むな」という上司の価値観もあって、相談もままならなかったという現実もありました。

 

 早期退職後も、なんとなく自分を責めるというか、「働いていないこと×出勤がないこと×時間が自由なこと」に罪悪感があって、無駄に自分と向き合っていたようです。

 客観的に考えれば「解決のないこと」とわかるのに、「解決のないことに向き合うこと」をしていたと、今ならわかります。早期退職直後の入院や、最近のスランプは、「無駄に自分と向き合った」ことがその要因のようです。

 

 というわけで、「自己と向き合うことも断捨離」ですね。

 「アンラーニング」と言い換えてもよいでしょう。

 

 さて、今日・明日でお仕事を片付けて、今度こそ旅行にと思います。おいしいものも食べるぞ!