55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

昭和の価値観の自覚と可視化の思い出など

 

昔々のことですが…

 公務員時代のこと。東京本社勤務時代です。

 とあるプロジェクトチームで、サブリーダーになってしまいました。

 リーダーは、私より能力も人柄もよく、将来を嘱望されているAさん。

 ただ、私の方が年上でして…、やりにくいだろうと感じました。

 年下の上司・年上の部下体験です。

 

どうしようかと思って伝えたこと

 なんだかんだ言っても、私は昭和生まれで、飲み会も仕事のうち、新人は早めに出勤して掃除とごみ捨て、夜の銀座で接待…という時代に社会人スタートでした。

 今なら、「法的に違反なこと」「ハラスメント」なこともあります。しかし、そんなことが当たり前だったり、むしろ「美徳」と言われた時代です。そのことに違和感を感じても、疑問に思ったとしても、「昭和のやり方」が身についてしまっています。

 もう時代は変わったわけで、そのことは「頭では理解しているつもり」です。しかし、言動に出てしまうと思います。しかも、おそらくは「無意識に」「悪気なく」業務や人間関係に出てしまう可能性があります。それは、プロジェクトに悪影響しか与えません。そういう時は、はっきり指摘してください。合言葉は「昭和ですよ」にしましょう。

 

頭ではわかっていても、感覚は古いままですから

 そんな風に言うことが、すでに昭和なんですけどね…。

 でも、そうするしかなかったですね。幸い、Aさんは、そのあたりの意図と言うか真意を悟ってくれたらしく、「では、遠慮なく」という返事でした。

 ついでに、チーム全体にも伝えましょうとなりました。その時、私自身が伝えると逆効果になる可能性があります。個人の問題・私的な課題に矮小化されてしまうでしょう。そこで、Aさんがリーダーとして、チーム方針として伝えることになりました。業務命令です。 

 そうなると、「昭和ですよ」は私とAさんの個人的問題ではなく、このプロジェクトから「昭和の感覚」を排除するということ公的方針になります。Aさん、すばらしい。

 となると、私の役割は、チームの外にある「昭和の感覚」の盾となることと、「昭和っぽい根回し」になります。あとは「反面教師」ですね。悪い見本。

 

プロジェクトの結果は…

 Aさんの仕事に抜かりはなく、プロジェクトは成功となりました。

 ただ、所内からの風当たりはなぜか強い(笑)。

 「やりすぎ」とか、「あんなやり方」とか、「成果は認めるけど気に食わない」とかですね。これは…私と同じ昭和の感覚に近いです。「頭ではわかっている」のですが、「心では納得していない」ということ。

 温厚なAさん、少しお怒り気味。

 でも、逆に言えば、昭和世代も苦しんでいると言えます。それが、今回のプロジェクトで可視化され、戸惑っているのかもしれません。

 

古い価値観×新しい価値観

 部署や担当業務によりますし、民間企業でも同じと思いますが、公務員のお仕事って、「魑魅魍魎とした封建的価値観」と「世界基準の人権意識」との境界線上にあります。決定権と予算は「封建的価値観」の側にあって、それを「民主主義的理念」を盾に引き出すというのが現状。

 たとえば、「結果や実績に対して予算をつける」だけでなく、「課題や問題を抱えているからこそ、支援や予算をつける」という発想も必要。でも、後者に対しては納得しない人、反対する言葉がたくさんあります。

 たとえば「前例がない」。「前例のない課題」の解決を目指すプロジェクトの結果に対し「前例がない」って言われても…なのですが(笑)。でも、そういう昭和世代の戸惑いを可視化したのも「想定以上の成果」ということで…という結論は、打ち上げの飲み会の話題ではありません。

 Aさん、きっちり報告書に記しました。

 なんか、激怒している人がいたらしいですが、プロジェクトを終えた私とAさんとは、転勤が決まっており、そそくさとそれぞれの赴任地に向かいました。

 

 Aさんは、その後順調に階段を上りました。

 私は、早期退職して現在に至ります。

 これでよかったとしみじみと思う今日この頃、個人的昔話にお付き合いいただきありがとうございました。