記憶にあるのは、柔道篠原選手の決勝ですね。
2000年シドニーオリンピックの出来事です。
◆審判の決め方
今回の五輪、柔道の団体混合決勝は、日本vsフランスでした。
この決勝を裁く審判員は、日本・フランスからは選ばれません。まぁ、そうですよね。さらに厳密に適用すれば、ヨーロッパやアジア出身の審判も避けたいところ。
しかし、そうすると、決勝の審判員は、あまり柔道の強くない国から選ばれる可能性が高くなります。これが誤審の原因。
◆誤審は、予選の最初と決勝に起きやすい
競技によりますが、オリンピックは参加選手のレベル差が大きいそうです。
それは、審判も同じ。しかもプロ審判がいる競技は少ないです。
というわけで、あまり強くない国の審判が登場するのは、まず予選・1回戦。
そして、強国が残る準決勝・決勝。
決勝となると、競技のスピード感が違います。そこで、有効・技あり・一本を判定するには、日頃からそういうレベルの試合を裁いていないと難しいですね。
◆柔道団体混合決勝の審判は
残念ながら日本は負けてしまいました(背景にはいろいろあるようですが)。
決勝の審判は、「イタリア」「スペイン」「ジョージア」から選ばれています。
ちなみに、柔道世界選手権の金メダル獲得数を国別に並べるとこうなります。
日本、フランス、韓国、中国、キューバ、イギリス、オランダ、ドイツ、ベルギー、ロシア、ブラジル、ポーランド、ジョージア、北朝鮮、イタリア、スペイン、アメリカ
「日本・フランスとの関係性」×「柔道の強い国」を勘案して決まったのでしょう。
日本は負けましたが、判定などへのクレームはないようです。配慮の中で、可能な限り、柔道の強い国から審判が選ばれているからだと感じます。
◆五輪野球で、日本が金メダルに届かない要因
要因の一つに、球場設備の問題があります。
今回は、横浜球場ですから、プレーしやすいはず。
しかし、世界的には「マイナースポーツ」である野球は、日本やアメリカのように球場が整備されているわけではありません。日本だと、ナイター設備のない地方球場、ローカル施設並の球場で、五輪の試合が行われることもある。
となると、内野ゴロはイレギュラーしやすく、マウンドは難しく、デーゲームの外野フライは太陽や風で補給しにくいってこと。これも敗因の一つと言われます。
これも、審判問題と同様の傾向があります。
やはり、競技が増えることで生じる問題があるんですね。となると、ワールドカップの方が、より公平・公正な運営がしやすい。となると「メダルの価値」も高まります。
五輪は、参加選手のアイデンティティと結びつきやすく、これが感動を生むことも、難しい問題に発展することもあります。
いろいろな問題が表面化したオリンピック。これが、今年の大学入試などでどのよう問われるのか、少し考えをまとめておくことが必要かもしれません。