長野県松本市に引っ越しても、昔のつながりは少し残っています。
ZOOMが、こんなに一般的になる日が来るとは(笑)
◆昔のAO入試のことです
大学受験から「推薦入試」という言葉は消えました。
今は、総合型選抜(昔のAO入試)、学校推薦型選抜(昔の推薦入試)と名称が変わっています。
推薦入試の本来の目的は
①優秀な学生を取る
②高校では評価されにくい学力・能力、一般入試とは異なる学力を持つ学生を取り
大学の研究に多様性を導く
なのですが、中には「入学定員を満たすため」「早めに学生を確保して経営を安定させるため」という目的が透けてみえる大学もあります。
これを「本来の目的」に戻すことも、大学入試改革の目的でした。
◆総合型選抜に向いている学生は
例えばですが、ピアノが弾けない高校生が、ピアノが弾けるようになりたいと言って音楽大学を受験することは、あり得ません。
ピアノが弾けることが、音楽大学受験の大前提ですね。もちろん、ピアノだけではありません。声楽・楽典・和声など音楽の基礎知識も必要です。
このように「実技+基礎知識」が身に付いており、加えて「実績」が求められるのが音楽大学・美術大学・体育大学の大学進学。これが、一般大学でも求められるようになってきたと言えます。
◆地域に興味があって将来公務員になりたい高校生には
希望を叶えるために、大学受験科目・公務員試験の勉強をすることも大切です。
しかし、地域の課題を掘り出し、その解決に取り組むことも大事です。
たとえば地域課題に「空き家」があるとします。
なぜ空き家があるのか、持ち主はどのように考えているのか、所有者には誰がアプローチすればよいのか、空き家が放置されること・有効利用されることによる経済効果の差異は、法的な課題や根拠は、有効利用にはどのようなものがあるか…などなど、このような方向性から取り組んでほしいとアドバイスします。
実際に動いてみると「田舎だから仕方がない」「所有者が偏屈なのが原因だ」などが「偏見」「真実ではない」ことがわかってきます。また、行政とは「法的根拠」に基づいて動くことですから法律の勉強も必要です。有効利用を考えるならば「町全体の課題」への広い視野が求められます。マーケティング、SDGs、数学、歴史、地理などの知識の活用や、人間関係の構築も大切。このように「空き家問題の解決」を通じて、さまざまな知識と思考の裾野が広げていく高校生って存在します。実際に空き家問題を解決したこともあります。
こういう高校生は「総合型選抜」向き。
◆ソーラーカーを作りたい高校生には
まずソーラーカーを作りなさいとアドバイスします。
その過程では、高校レベルの以上の数学や物理が必要な場面もあります。それが良いんです(笑)。高校生は、高度な数学をあっという間に身に付け、活用して制作を進めます。もちろん、プログラミングも。
またチームで作成する過程で、探究思考・合意形成・振り返り・創造性なども身に付いてきます。中には、ソーラーカーを作るよりも、チーム作りに興味が移り、マネジメントを学び始める高校生もいます。
◆総合型選抜を確認すると
要するに「実技+専門教養+実績」です。
これを、コンテスト・コンクール、資格で証明するのもアリ。
「空き家問題の解決」を「業務実績」として証明するのもアリ。
こういう高校生が「総合型選抜」向き。先々の「インターン」「就活」も同じ。
俗に言う「探究学習」も、こういう方向性とお考えください。