◆国公立大学前期の発表が…
学習支援で関係していた高校生の結果が出ました。
桜が咲いた者もいますが、そうではなかった者も。
前期で桜が咲いた者は、これで受験終了。
後期に向かう者は、でもあまり悲壮感はありません。ものすごくやる気です。
◆なぜ前期がダメだったのか?
共通テスト後は、自己採点~各種予備校による分析と進みます。
予備校の分析で、第一志望には「E判定」が出ていました。「E判定の中身」をさらに分析すると、前期試験で満点でも届かない…という結論。
ここで、担任の先生と本人とには「決断」が迫られます。
①落ちるとわかっていても、第一志望を受験する
②第一志望を諦めて、合格可能性の高い大学に出願する
前期でダメだった高校生は、「①」を選択したということです。
◆なぜダメとわかっていて、第一志望の大学を受けたのか
第一志望の大学を受けるために受験勉強をしてきたわけです。
以下、受験生の主張
①第一志望以外の大学に進むために頑張ってきたわけではない。
②共通テストがうまくいかなかったのは弁解できないけど、
結果はわかっているけど、第一志望を受験したい。
③第二志望は後期試験にしたい。
第二志望を前期にすれば合格は確実で、後期にすればどうなるかわからないことは
わかっている
というわけで、前期の受験結果が不本意であっても「やるだけやった」という満足感が本人にあります。すでに、後期に向かってやる気満々です。
◆学校を評価する・進学校を評価する
地方では「公立高校~国公立大学の価値」が優先。
「私学は公立のすべり止めという感覚」はまだ強いです。東京のように、小学校6年生の半分近くが中学受験する、私立が第一志望で公立高校が滑り止めという価値観は弱いです。
で、「学校評価=高校を評価する」というお仕事がありました。「教育成果を数値で評価する」ってそもそも無理があることなんですけどね。
落ち着いた先は「現役進学率・就職率」の評価です。
◆ここでもパターンは二つにわかれる
進学校では、「現役進学率の高い高校」「国公立大学進学者数が多い高校」が「よい学校」になります。となると、高校は「合格できる学校の受験」「評定平均の高い生徒には、確実性の高い推薦入試」を進めます。これは、「教育委員会×議会×保護者」からとても喜ばれ、高い評価を受けます。
一方、「浪人を恐れず第一志望を貫こう」「挑戦を忘れずに」「受ける大学は自分で決めよう」とする高校の現役合格率はあがりません。数値で言うと、現役合格率50%という高校も少なくないです。これは、特に議会から評判がよろしくありません。
◆ここが運命の分かれ道
「現役進学率優先」に舵を切った高校は、最初は数値を伸ばします。しかし5年後どうなったかというと、たとえば、「現役浪人ふくめて毎年東大に数名の合格者を出していた高校」から、東大合格者が出なくなります。
そうですよね。模試や共通テストの範囲で「東大合格確実」じゃないと、出願しませんから。で、東大合格確実という結果を持つ高校生なんてそんなにいません(笑)。
というわけで、「現在の自分の力で合格できる大学」を優先するようになります。もう少し頑張れば第一志望に届きそうな高校生も、努力を放棄して安全を優先します。
一方で、「浪人を恐れず第一志望を目指そう」という高校は、「難関大学・医学部進学者数」を伸ばしていきます。
私大で言えば「早慶上智ICU」あたりに、AO入試、総合型選抜で合格していく。
国公立で言えば、東大・京大・一橋、医学部医学科の合格者数が「現役浪人」あわせて毎年少しずつ増えていく。現役合格率は上がりませんが(笑)、高校生の「第一志望を叶える率」は100%に近づくんですね。その先で、海外大学への進学者も出ます。
しかし、「学校の評価としては現役合格率」になります。難関大学への合格者が増えても「東大よりも、地元の東北大学に行って欲しい」「東大よりも、地元の琉球大学に進んだ方がうれしい」という大人の価値観も存在します。難関大合格も含め高校生の努力を支え、第一志望合格まで導いた先生方を「批判の対象」とする大人も少なくありません。
◆学習支援をしている理由
「第一志望の大学に進むことを応援する学校・先生」だからです(笑)。
「外野からの雑音への対応」までしなければならない現場の先生の、「孫の手」になれればとも思います。もちろん、第一志望の受験を大人が強制することはありません。
「合格確実な大学」を知りたい、受けたいと言えば、それも応援します。
もちろん、後期に向かう受験生の応援も。
念のためですが、東大や医学部への合格者を増やすためではありません。高校生の第一志望を応援するためです。高校生の第一志望を応援すると、難関大の合格者が増え、そんな先輩たちの背中を見た高校生のモチベーションが高まるのです。
念のため(笑)。