55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

敗者に掛ける言葉(大人に必要なこと)

 アマチュアは、一戦必勝のトーナメント。

 これは、インターハイも、高校野球も、オリンピックも同じ。

 音楽のコンクール、受験や就職試験も同じです。

 

敗者に掛ける言葉

 大きな喪失感を抱えた人に、掛ける言葉は難しいです。

 昔なら、大きな失敗をした部下には、まず叱責、その後飲みにつれ出してフォローという手段がありましたが、今は難しい。

 災害で家族を失う、コロナで大会が中止になる、5年間かけて準備したオリンピックで負ける…そんな時、どんな視点から、どんな言葉を紡ぎ出したらよいのでしょうか。

 

敗戦や喪失の哀しみを受け容れるために、誰かのせいにする必要がある時もある

 ネット上にあふれる攻撃性の高い言葉の多くは、こういうもの。

 先生、医師などが攻撃対象になりやすいのは、現場に合否・勝敗・生死、さらには貧富などの社会課題が、現場に多いからでしょう。そして、結果が思い通りにならなかった時、誰かのせいにしなければ、その現実を受け容れることができないから…という人間心理があります。

 そういう場合、黙って頭を下げ、言葉を浴びます。(ただし、裁判では不利な証拠になることもありますが…)

 

これからの日本語に必要なこと

 NVC(Non Violence Communication)が少し広まってきましたね。

 いずれ、今の日本語は、攻撃的な語彙・フレーズが優先的です。

 プロスポーツ選手、タレント、政治家などは「危機管理」の一つとして、「インタビュー言語」のトレーニングを受けます。英語圏の選手が「チーム、家族、ファンのみなさんに感謝したい」というヤツですね。

 相手に対する感謝や敬意を表現する文化は日本にもあるのですが、どこかで「以心伝心」みたいなところがあり、あまり言葉にすることを好みません。バブル時代の恋愛ドラマでは、女性が「私が好きなら言葉で伝えて、形にして見せて」と叫び、主人公の不器用な男性が困惑するシーンがよく出てきます。

 この不器用な男性が、ある意味で日本文化のシンボル。この会話がリアルだと「うるせえ!」という返答でケンカになります(笑)。

 

日本の大人に必要なこと

 感謝や敬意を伝えることって、どこかで恥ずかしいのです。

 褒められた時の対応や、勝った時の表現の言葉も同様。強めの上下関係の中で、厳しさの中に愛があるという教育を受けてきた世代は、感謝や敬意を素直に表現する言葉を知りません。知っていても、できません。この「ゆがんだ認知」が、敗者への強い攻撃になります。

 俗にいう「アンチ」ですね。否定でしか愛を表現できない人たちです。

 素直に、感謝や敬意を言葉にしてもいいのはないでしょうか。

 人より優れた能力を持つ、あるいは人より努力を重ねたことで、嫉妬や憎しみを浴びる世の中になるのはつらいですね。

 そうならないために、「美しい日本語」がもっと必要だと思う今日この頃。

 オリンピック後の日本はどうなるのでしょうか??

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