共通点は、人間が自然の中に入っていくと発生するということ。
人間は、自然を切り拓くのではなく、撤退した方が…と感じます。
◆人間が感染症にかかるのは
帝国主義と植民地支配の時代のパターンは…
①大規模農業、移民を進めるために、原生林を切り拓く
②原生林の中の生物に触れ、未知のウィルスなどに接触してしまう
というわけで、近代国家の植民地であった「アフリカ大陸」「熱帯地域」で拡大しました。今まで人間が入り込まなかった場所を切り拓いた地域ですね。
当時、アメリカのロックフェラー財団が医学研究に大金を投じたのは、人道的な使命感だけでなく、植民地政策の推進という背景もあったかもしれません。野口英世もここに参加しています。
◆近年の土砂災害のパターン
住宅街で発生しています。少し前は、広島でもありました。
つまり、山を切り拓いて住宅地にした場所です。
皮肉なことですが、山を切り拓くと「道」ができます。その道を使って、山にゴミを捨てる人が出てきます。ゴミを捨てる場所は、二つあって
①山頂近くの平らな場所
②谷間(谷間に棄てて、平地を作るという意図らしい)
というわけで、山頂近くの保水力が低下して、水が谷間に落ちていく。そもそも水の力で谷になっているわけで、谷間は水が通りやすく、崩れやすい。
つまり、地形的に崩れやすい場所なんです。そこに人間が介入するから災害になると言えます。
◆温暖化が進むと、雨が熱帯雨林のスコールのようになる
沖縄勤務でびっくりしたのは、雨の強さ。
東京なら、即避難勧告のような強さ。しかし、沖縄ではこれが普通。つまり亜熱帯気候のスコールなんですね。しかし、川や下水道があふれることはない。
昔から、厳しい自然と共に暮らしてきた地域なので、そういう街づくりになっているのです。知恵が活きているんですね。
こういう雨が、本土にも増えてきました。すると、開発された土地では自然の復元力をこえるケースが増えてくる。自然が、人間の常識や知恵をこえてくるんです。
政治・行政・企業の責任もあるでしょう。ただ、根元的には「自然の営み」です。
地震・津波、台風・土砂崩れは、必ず起きるもの。
感染症と同じく「予防」が大事。予防につながる地域の知恵を見直すことが大切。
そこから目を背け、開発を進めることをそろそろやめた方がよいと感じていたのが、公務員時代の後半。思いは届かず…申し訳ないと感じる今日この頃です。