雨の被害を受けた方にお見舞い申し上げます。
災害に強い街づくりって大事ですね…。
◆大きな中央資本を誘致しようとする意見が主流
よくあるのが「大型リゾートホテル」「テーマパーク」の誘致。
観光客が増える、地元の雇用も増える、税収も増える、いいじゃないか…という意見です。そして、大型ホテル、テーマパーク、道の駅などの「ハコモノ」が先に完成します。第三セクター方式を取ること多いです。
もちろん、成功例もあります。しかし、失敗例も多く、その失敗は20~30年後に顕在化します。つまり、若者に負の遺産を残すのです。
◆ホテルを誘致しても、地元の雇用・産業には落ちないことも多い
例えばクリーニング。シーツなど膨大な量のクリーニングを即日・翌日納品できる規模の店舗が地元にない場合、一番近い街の大型店舗、もしくは専門業者の仕事になります。最近は、自前のクリーニング会社を持つホテルも多いです。言わんとすることは、地元の雇用にはつながらないということ。
誘致するのは民間企業ですから、しっかりマーケティングしてきます。地元の高校生の就職先もリサーチしています。ホテル・観光志望の高校生は、大学・専門学校に進みます。つまり、高卒採用では「ホテル・観光志望」というより、「地元志向・親の意志」が動機であることが多く、3年以内の退職が多い。となると、採用では大卒・専門卒の優先が本音です(採用には地元枠もありますし、長く勤務してホテルの功労者になる人もいますが…)。
◆道の駅が黒字になると…
道の駅が立派なハコモノであるほど、「初期費用×維持・返済額」が大きくなります。売買だけなら黒字でも、維持×返済で赤字。
そこで「地域おこし協力隊」制度を利用して、道の駅の経営者(マネジャー)を募集する。地方に魅力、経営に興味を持つ若者は増えていて、彼らからするとマネジャーの募集は大きなチャンス。応募者も多く、2年程度で黒字転換に成功することもあります。黒字になると、悪い大人たちが暗躍してマネジャーを追い出す。そして、再び赤字になる…。
◆誘致ではない方法で…
私はバブル世代。ですから、あの頃の日本の浮かれ方を知っています。それがどのように負の遺産となるかも見てきました。今のマンションもそう。バブル期計画の建物なので設備は豪華。しかし、今となっては古く、維持費が無駄にかかるだけ。
バブル期は多くの日本人が海外旅行に行って買い物をしました。それは、日本の経済が強かったから。今「インバウンド×爆買い」になっているのは、日本の経済が弱くなっただけ。経済の弱さを利用して稼ぐってことは、日本の経済は弱いままってことなんです。そういう稼ぎ方は、長期的にみて危険。
というわけで、課せられたmissionは、誘致や観光に頼らない持続性の高い街づくり。
大変なのは「議員」との見解の相違。
誘致×観光は「税収」になる。ですから、市長・議会・議員は積極的。
一方で、地元産業の減収、若年世代の流出、街の資源である自然破壊が進む。
ここが運命の分かれ道。
それを自然災害の頻発から気付いてほしいと思う今日この頃です。