いつからか、日本は「サブカルチャー」と「観光」がメインになりました。
coolJapanですね。
◆観光って儲かるのか??
昨日書きましたが、旅行代理店を手数料収入だけで考えれば、そんなに儲からないです。薄利多売の象徴。
では、宿泊施設はというと、これは経営センスがないと難しい。かんぽの宿の壊滅的状況を見ていただければわかる通り。
ホテルは「清掃×クリーニング」「食事×サービス」「ネット×TV」など、さまざまな必要経費が掛かる上、それぞれの分野の人材×人件費も必要です。地域に雇用をもたらすと言われますが、その恩恵を受けることができる人はそんなに多くない。
◆オリンピックにあたってやろうしたのは?
海外のトップセレブが利用するホテルの準備。
2~4週間滞在し、滞在中に買い物・食事などなどで1億円くらい使うような人々ですね。料金は、最低でも1泊200万円くらい。
そういう世界の人々にふさわしいホテルが国内には不足しているんです。で、そういう宿があれば、そういう人が来日する。でも期待しているのは、そういう人たちの爆買いではありません。来日してもらい、日本が誇る未来を創造するビジネス・文化研究・科学技術に「投資」してもらうこと。
ところで、世界の投資家が目をつけるような日本のビジネス・文化・科学技術は、オリンピックで示されていますかね??
◆観光による町作りは流行っていますが
教育の場で「観光」を扱う際は、観光資源の見直しからスタートします。
地元の魅力を歴史・産業・生活などから再構築するんですね。最近は、スーパー×コンビニなど東京資本が全国展開されています。その前の時代の暮らしと、その知恵を再現するところから。
そして、「観光ビジネス」は、顧客が認める「価値」が金額になることに気付いてもらいます。その価値は「自然の美しさ・美味しさ・癒し」の提供。ところが、観光化が進むと「自然」が減少します。間違った観光依存で、地域の魅力が破壊されるのです。
今、日本各地で、この問題が起きています。
◆観光は「ソフトパワー」
「ソフトパワー」「ハードパワー」という用語があります。
アメリカのソフトパワーは「ハリウッド映画」。民主主義や正義の概念を世界に広報しています。これがアメリカのハードパワーである「軍事力」と重なり「世界の警察」というイメージが確立します。
coolJapanは「ソフトパワー戦略」です。サブカルと観光ですから(笑)。
であれば。それを支える「科学・文化・教育」に資本投下し、「技術×教養×世界の問題解決」で先頭を走る必要があります。観光は「儲け・利益」になるまで、時間とお金の投資が必要なんですけどね…。
◆観光依存は危険
人口減少が続くちいさな町に、都会のような大きなホテルが出来ても、地域と自然とに魅力がなければ「観光」は続かない。
そもそも儲からない業種で、儲かるまで発展するのは、経営センスという人的資源と、価値を産み出す観光資源とが必要。誰にでもできるもの、やれば儲かるものではないんです。
そういうことを異動して来た公務員が言うと、それはそれは大騒ぎになるので黙っていましたが…。そろそろきちんと考えていただかないと、日本の未来に禍根を残すのでは…と思う今日この頃です。