55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

都会風吹かすなと言いますが…

 

都会って何?

 「都会風を吹かさない」という言葉が少し話題なんですね。

 四国のとある地域に移住したご家族が、その地域を離れた(この人のYouTubeは私も見ていた)ことと結びつけて、「田舎・地方」に対する批判記事になっているものも読みました。

 わかるんですけど、「結論ありき」の考察のようで、受験生にはオススメできません(笑)。既存の発想に、都合のよい現実を結びつけて、裏付けとする流れなんですね。

 数字・人口で見れば、日本人の10人に1人は「東京生まれ」、もしくは「東京暮らし」をしています。もう少し言えば、「東京・愛知・大阪」という三大都市圏の人口を足すと、日本の人口の半分に相当します。つまり、日本人の2人に1人は、「都会暮らし」をしているわけで…。

 要するに、「都会的な暮らし・発想」が過半数になってきた…という、そういうことなんですね。そして、人口減が進むと、「都会生まれ・都会暮らしの人が相対的に増える」という逆説的な状況があります。はい。

 

田舎にもいろいろある

 人口が1万人を超える・切る、海沿い・山沿い、農業・漁業・林業…などなど、地域の人口・地理・主要産業によって、「地域の個性」が生まれます。

 つまり、「自然との関係性」が地域の個性になると感じています。基本的には、「ご先祖が開拓し、住み着いた土地」にその子孫が住んでいるわけです。その暮らしには「厳しい自然との闘い」「自然の恵みへの感謝」「自然との共生」三部作が内在しています。これが、「共同体」を形成します。ご先祖の知恵が、共同体の中で共有されるんですね。

 こうした、「自然との闘いや恵みを獲得するための知恵」が、「地方のオキテ」と言われる部分もあるのかもしれません。

 雪が降る地域では「雪かき」が、暖かい地域では「草刈り」が、トラブルの要因になることが多いです。共通するのは「自然との闘い」ですね。はい。

 

昔から変わらない景色は多くの人々の努力で守られている

 田舎の人は、「ここは昔から何もない、変わらない」とよく言います、自虐的に。

 しかし、山や田畑を放置すれば、草木の浸食がすすみます。草木が茂ればそこに蛇などが棲みついたりもします。そして、人間の生活圏を奪います。だから、「草刈り」をします。そのことで、景色は「昔から変わらない状態を維持」できるんですね。そこにあるのは「安全」です。

 安全は、個人では維持できません。自然との闘いは「共同体の知恵」でもあります。

 でも、田舎の人はそこまで言語化しません。というか、日本人は「理由まで説明することをあまり好まない」という思考習慣があります。「封建的価値観を共有していればわかるだろ」というヤツですね。

 というわけで、一応元移住促進担当としては、そういう「民俗的発想」で田舎暮らしを説明したり、通訳したり、体験してもらったりしていました。

 

説明としてわかってもらいやすかったのは

 会社・組織に置き換えることです。

 異動・転勤をすると、最初「お手並み拝見という圧」を感じることがあります。

 前の部署の話・体験・やり方はしない方がよいです。

 自分はダメ人間であるという演出が効果的です。

 教えてもらう・お任せするという受動的謙虚さで暮らした方がよいことが多いです。

 理不尽と思えるようなことに、実は「合理的な暮らしの知恵」があります。

 理不尽で面倒なことも多いですが、その改善を主張するよりも、組織や人々の長所を見て笑顔で暮らす方が、職場の空気がよくなり、業績も上がります。

 という感じ。

 

 都会の組織も、田舎暮らしも、「嫌なところ」は共通点が多いです(笑)。

 ということは、解決の知恵、生存戦略も共通。

 これを理解して身に付ければ、「どこでも暮らせる」かもしれません。

 そういう人に私はなれなかったなぁ…、だから早期退職したのかも。