55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

松本暮らしがまた一つ理想に近づく

 

口はわざわいの元

 人口減少が進む日本。私は2000年頃から、人口減少への対応をどうするか…という部署に入りました。とある地方の勤務地で。

 ただ、その部署に異動になったきっかけ・理由は、あまりよろしくない感じでした。

 その頃、個人的には「多数決は必ずしも正しい結論を導かない」「日本全体が人口減少に進むのだから、自分の地域だけ人口を増やすという発想だけでは、人口の奪い合いが全国に広がるだけで根本的解決にはならないんじゃないの」と考えていました。これを、公式の場で発言したことはないです(笑)。

 ところがある日、上司に呼ばれまして、「お前はこういう考え方をしているらしいな」と問われ、そういえば、こないだ飯でも食いに行こうか…程度で訪れた飲み屋でそんな話をしたのですが、それが回りまわって届いたようです。よくあることです。

 しかし、これが何人かの人の逆鱗に触れまして、次の異動となりました。

 よくあることです(笑)。お前がやってみろ系ですね。

 口はわざわいの元とはよく言ったものです。

 

人口を増やす??

 当時ポピュラーだったのは、「工場誘致」ですね。

 山を崩してニュータウンと工業団地とを作る。そうすれば、どさっと人が移り住み、法人税も増えるということ。ただし、これはトップ案件。私が担当したのは、今でいうところの移住・定住推進ってヤツ。個人単位の移住です。

 今では一般的になりましたが、当時は先行事例も少なく、あっても「道の駅の指定管理者」という、これはジャンルが違うでしょうというもの。

 建築時の価格から暴落したリゾートマンションを調べてみると、新規購入者の多くは定年退職者の移住、もしくは別荘。つまり「住民税非課税世帯」。これだと、人口は増えますが収入は増えない。むしろ医療費で支出が増える…という、今では当たり前になった考えを、少しずつまとめ、裏付け、レポートにしていました。

 結構楽しかったですね。

 

かつて実現を目指していた暮らしを体現する

 生まれた時から、「大量生産・大量消費」でした。

 しかし、都会から田舎に移住したい人には、「シンプルな暮らし」「自分で何かを作りたい暮らし」という指向性があります。たとえば、漬物を買うのではなく、自作したい人。さらに言えば、野菜やぬか床から作ってみたい人なんですね。

 一方で、地方の人は、地元を「大量生産・大量消費の街」にすることが、人口を増やし若者が出ていかないことにつながると考えていました。もちろん、それはそれで正しいです。そういう利便性も必要です。ただ、「自分生産・自分消費」、今でいうところの「地産地消の個人ヴァージョン」が地方の魅力で、そういう人が移住から定住につながりやすいという傾向もあります。つまり、正解は複数あり、異なる正解を並行して走らせると効果性が高いんです。

 で、あれから20年。

 松本暮らしが楽しくなってきたのは、浅漬けを自分で作り始めてから(笑)。

 浅漬けからキムチに進み、現在は、近所のみそ蔵で購入した味噌に「にんにく」を漬けています。これが…おいしい。

 

シンプルな暮らし×生活サイズの縮小

 「モノをもたない」「水道光熱費の節約」が進むと、あとは「食費」しか削るものがありません。

 そんなとき、漬物は万能ですね。

 お茶うけになる、ご飯のおかずになる、お菓子のかわりにおやつとしてつまむ…というわけで、ご飯と漬物があれば、とりあえず食事は完結。

 さすがに、「野菜から作る」のは私には無理。しかし「漬ける」はできる。

 ちなみに、魚も味噌に一晩漬けるとおいしいです。というわけで、近所のみそ蔵で購入する味噌はまあまあな値段なのですが、トータルで食費は下がってきました。

 地元の人には「そんな食生活のどこがいいの」と言われそうですが、移住者としては「この食生活が最高なの」ということです。松本暮らし、最高です。

 

 そろそろ「野沢菜漬け」に挑戦してみようかと思います。

 好みは分かれますが、私は野沢菜漬けあれば、ご飯を無限に食べ続けられます。