テーマ「地方移住」
日本の人口の約半分が「三大都市圏(東京・名古屋・関西)」で暮らしています。
しかし、地方移住やUターンを希望する人は確実に増えています。
地方移住に「向く人」にはいくつかの共通項があります。
共通項の一つに「田舎暮らしに求めるもの」があります。
◆目次
地方移住の目的が「自然の近くで暮らすこと」の場合
◆「目的」にあわせた「自然との距離」を選択している
自然との距離と生活利便性はトレードオフ。
自然が近いほど都会的な生活利便性は遠ざかり、利便性を優先すれば自然から遠ざかる。
この矛盾に悩む人、移住してから不適応を起こす人は少なくありません。
楽しい移住生活のためには、自然との距離を適切に取ることが大切です。
◆マリンスポーツが好きなAさん
Aさんは、「夕食のおかずを海で獲ってくることが可能な暮らし」を求めました。
そのための体力、ダイビングの技術、料理の腕がありました。
彼が選んだのは「海まで歩いていける距離」の家です。
◆サーフィンやダイビングが好きなBさん
Bさんは都会人で生活利便性も求めました。
彼が選んだのは「イオンなどの東京資本があって、海まで車で20分で行ける街」。
東京と変わらない暮らしを維持しつつ、サーフィン三昧の毎日だそうです。
田舎暮らしには経費もかかる
◆自給自足生活ができるならとは思いますが、それはかなり達人の域
自給自足できたらもう「移住者」ではなく「地元の人」です(笑)
農業、カフェ・民宿経営など、週末夕方のテレビ番組の世界の実現です。
◆自家用車は必須、ガスはプロパン
夫婦で移住の場合、それぞれに1台必要なこともあります。
また、自然の近くで都市ガス物件はまずありません。
プロパンは少々お高いです。特に寒冷地でガス暖房だと…。
◆寒冷地では冬の経費も
都会や太平洋沿いの暮らしでは掛からない経費があります。
暖房費、スタッドレスタイヤ、防寒具、雪かき(肉体労働)とかですね。
冬の電気・ガスは、なかなかかかります。
薪ストーブも維持費がかかるので好きな人以外は…。
自然との共生とは、思い通りにいかないことを受け容れること
◆自然の力の前で人間は無力
台風、豪雨、積雪などの対策が必要です。
ただ、基本的には「天候の回復をじっと待つ」覚悟と生活の知恵が必要。
数日続く停電、車が雪に埋もれる、台風の風で車が飛ばされて傷がつくなど、予想しないことが起きます。
◆都会の生活利便性をどこまで諦めることができるか
Amazonでも届くまで数日かかります。UberEatsはないことも。
一軒家になれば、マンションでは必要なかった雪かき、落葉清掃、草刈りが必要。
自然との共生とは「生活のためのルーティンワークが増える」こと。
自然との共生のための「忙しさを楽しめる人」が向く人ですね。
まとめ(地方移住に向く人)
・地方移住の目的から「自然との適切な距離」を選択すること
・田舎暮らしの「経費」を理解した上で、生活設計をすること
・自然との共生のための「ルーティンワーク」を楽しめること
・台風など自然の脅威にさらされた時「過ぎるまで待つ」こと
都会と地方とを「同じ物差し」で比較して優劣を論じるのはあまり好きではありません。
また、移住先人気ランキングに依存すると、自分が求めるものが曖昧になります。
地方移住・引っ越しにはお金もかかりますから、退職後の移住は慎重に進めて欲しいと思っています。
願うのは「地方移住×早期退職」で幸福な暮らしを手に入れることなのです。