55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

高校生の質問から思い出したこと

前回書いた知り合いの先生からの伝言

 高校3年生からの質問

「将来、地元で公務員を希望しています。そのために大学で何を学ぶと良いですか。

 公務員になりやすい学部・学科を教えてください」

 高校生の目の前にいる高校の先生も「公務員」なんですけどね…。

 わざわざ元公務員に聞かなくても…。

 

公務員になった頃

 民間から公務員に転職したきっかけは、私の会社がある公共事業に参加したこと。

 そこで公務員の仕事のイメージが変わりました。公益を司る仕事の幅の広さ、専門性が活かせることに魅力を感じました。

 一言で言えば、会社で私の順番が来るまでは10年はかかりそうでしたが(タテ社会なので)、専門性を求める公務員ならすぐ活かせると感じたのです。

 結論を言えば、この読みはあたっていました。民間より役所の方が先進的な取り組みをしていましたから。

 

当時、役所にはあらゆる分野の専門家が揃っていた

 先進的な取り組みが可能にしたのは、あらゆる分野の専門家が揃っていたからです。

 同僚の出身学部には、文学・数学・音楽・生物・看護・薬学など、公務員という一般的イメージにはない分野の専門家いました。

 「わからないことがあれば誰かに聞けばいい」という言葉通りの職場。修士を持っている人、博士課程まで進んだ人もいて、民間のシンクタンクやコーディネーターに頼ることなく状況を分析し、適切な施策を立てることができました。

 加えて、語学に秀でている人、趣味がプログラミング人、アマオケの指揮者、料理の達人など、個々の特技やバックボーンが仕事の効率化、地域連携の推進になっていました。

 

市町村合併のあたりから徐々に…

 いわゆる行政改革ですね。能力主義の導入もありました。その結果、私の周囲では「専門能力の高い人ほど民間に転職していく」という現象が起きました。代わって新卒で入ってくる若者は、就職氷河期+採用数減少の中合格した優秀な人材です。しかし、社会科学系学部出身者の比率が高くなり、理系人材が不足してきたのです。

 現在、新型コロナ感染者数が日々話題になっています。そのデータを見ると、役所内に数学科で統計を学んだ人がいない、いても活用されていないように感じます。現状は外部の専門家を招いて分析を進めているようですが、その専門的内容を役所内の素人に「通訳」する機能は生きているのか…とか、いろいろ感じることは多いです。

 あるいは、役所内の問題ではなく、報道機関内にデータやウィルスの理解ができない状況があるのかもしれません。いずれ、施策が科学的な分析より、国民感情の方に流されているように感じるのです。

 

高校生に伝えたいのは

 公務員になるために有利な学部・学科は特にないということです。

 それよりも、公務員として実現したいことから逆算して、必要な学びを選択するという発想が一つ。

 もう一つは、公務員ということを忘れ、大学では自分が興味のある学問を徹底的に探究し尽くすという発想。

 また、文系でも数学、理系でも地理・歴史をきちんと学んで欲しいです。その教養が業務上のコミュニケーションや相互理解に大切です。

 

 思い付くままにいろいろ書いてしましましたが、個人的に最も大切なのは…折れない心と思っています。

 公務員は風当たりが強いです。職業としては安定しているかもしれませんが、心はなかなか安定しません(笑)。そういう状況の中で、感情的にならず、怒らず、見知らぬ他者に常に敬意を持ち続けることかな。