晴天ですが気温は氷点下。
世間は3連休なんですね。私には関係のないことですが…。
昨年、転職相談を受け、無事に転職し、まもなく1年経過する後輩(と言うのですかね…、昔の同僚です)と少しお話をする機会がありました。
まだ若いです(一応アラサー)。
転職先はスターアップ系の成功企業で同僚や上司も若い。でも、社員の半分以上は年収1,000万円プレーヤーとか。本人はまだ転職1年目ですからそこまでは達していませんが、「目指す!」と張り切っていました。
前職と比べて違いは?? と聞くと明確な答えが返ってきました。
前職は、年功序列的組織で上司と部下という関係性が明確。会議は討論ではなく伝達の場。前例踏襲が基本で課題の捉え方が抽象的。たとえば「人口減少」というテーマがあった時に、その原因や課題を具体化・明確化することはない。そして「人口減少という抽象的なイメージ」を課題として設定し、人間関係で解決しようとする。そこで問われるのは担当者・関係者の人間性であって、解決策の有効性とか、解決策を実行したことによる効果(がない場合もある)は問われない。そのことがストレスで転職を考えた。
今も、上司と部下という関係性はあるが、業務を進める上では対等。
フィードバック・相互評価が常にあって、しかし失敗を責めることはなく、それを成長の機会ととらえ本人に求められる能力・目標が常に明示される。また、課題を客観的・具体的に分析し、分析内容を根拠として解決策をチームで構築する。解決策では効果性・有効性・合理性を重視する。もちろん「すべての人の満足が期待できる解決策」を目指すが、解決策に内在するリスクも重視する。予想されるリスクと期待される効果とを合理的に判断して実施するか否かの決断を下す。
このよう文字化すると、下の内容は組織やビジネスの基本の「き」なのですが、そういうことが徹底されているということなんですね。だから、ものすごく頭を使うこと、知性や教養を身に付けること、アンテナを高くすることが求められるけど、そこに自分の成長の実感がある。知の成長痛を日々感じているとのことでした。
(うらやましい)
振り返ると、個人的に働きやすい職場・上司は、思考に「客観性・具体性・合理性・効果性」のあるチームでした。時に厳しい決断をしないといけない(すべての人の満足は実現できない。ただし、全体への効果は確実にあるというパターン)こともあります。でも、不満を抱く人(全体が見えない人)からの批判は受けつつ、しかし課題を先送りには絶対にしないという意識がチームにありました。
一方で、課題を抽象的・主観的にしか認識できず、人間関係で解決しようする「伝統的思考」を持つ上司・組織にはなかなか馴染めませんでした。
ただですね、都会でも地方でも、そこには込み入った人間関係があり、客観的・合理的判断は通用しない世界があります。そういう世界では「地域の主・あらゆる人間関係を把握しているベテラン(ただし、往々にして窓際に追いやられていることが多い)」の力を借りることも必要です。このように人間関係で解決を進めることが「根回し」なんですね。この場合、課題の客観性とか解決策の有効性は重要ではない。根回しする人間の「人間性」が重要。要するに「君がそういうなら、あの人がそういうなら」が解決を導く。決定は宴会の場で下されるという、そういう現実。
で、合理性・効果性の高い解決策を実施するための根回しの能力・段取りが人事の主評価になる場合もあります。もちろんそれも大事ですけどね。でも、より有効性の高い解決策を考えること、課題の背景・原因を分析すること、解決策の実施プロセスを考えることが評価にならないのは、個人的には…です。
課題解決を人間関係で進めようとする価値観の人が組織の決定を下すポジションにいると、解決効果の高い策が、人間関係上の理由とか、その人の主観的価値観で却下されることもしばしば。その積み重ねが「不正と停滞」を招いているとつくづく感じます。
という当たり前のことを言語化・再確認して今年のお仕事に取り掛かろうと思います。原稿書きも「信頼」を得ることが大切ですが、それは客観性の高い考察、合理的な思考、効率性・効果性の高い解決策を導くことからですね。
当たり前を大事にと思います。