55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

早期退職を実現する要因とマインドのことなど

 55歳で早期退職した私ですが、株で当てたとか、遊んで暮らせる資産があるとかそういう流れではないです。

 それでも早期退職できたのは、夫婦で財布を別々にしていたことが大きかったです。

 

 妻の実家の教育方針は、「女性も大学行って学問・教養を身に付け経済的に自立する」でした。私たちの世代では少数派だったと思います。そんなわけで、妻は今でも現役の会社員。夫婦それぞれに収入を持ちますが「共有財産」はありません。

 家賃や水道光熱費、子供にかかる経費・学費などはきっちり割り勘。

 旅行なども同じ。

 そして、お互いの給与額・貯金額がいくらなのか、何となくはわかりますが正確には知りません。

 結婚したら妻は専業主婦になり、ご主人は給与を全額妻に渡すのが主流の時代でしたが、そういう経験がありません。夫婦であっても自分のことは自分にするという妻の実家の考え方が私も楽で、現在に至ります。

 

 ただ、「家計のことは妻に任せている」「お金のことは秘書に一任している」というのは、ひょっとすると日本人に特有の習慣なのかもしれません。海外の人とお話をしていて、上司が「いや、お金のことは妻に任せていて、私は毎月お小遣いをもらう身です」というと信じられないという表情になることが多いです。通訳さんが海外の人の場合、通訳さん自身がこの言葉の意味を理解できない…ということもありました。

 ちなみに「full-time housewife」と伝えた場合、「日本は先進国と聞いたが女性が働くことにまだ社会的困難があるのか」「日本には封建的な社会習慣があると聞いたが、それは女性主導なのか」などと聞かれたことがありました。

 たしかに、妻を専業主婦にするのは男性中心の封建的価値観ですが、妻が家計を握るのは女性中心の経済的封建制度と言えます。そういえば、吉村昭の小説に「給与が銀行振込になり妻からお小遣いをもらうようになったことは、男性の家庭における地位の低下を招いた」というくだりがあります。銀行振込という技術の進歩・利便性の向上は日本人の価値観を揺るがしたできごとだったのですね。

 

 金融リテラシーの向上とかが言われていますが、個人的には「他人の資産に下衆な興味を持たないこと」「親族であっても銀行口座の操作ができるような情報を与えないこと」が基本ではないかと思う今日この頃。

 それを実践している私たちは間違いなく変な夫婦なのでしょうけど、このあたりが親しき仲にも必要な「礼儀」だったのかもしれません。おかげで私は早期退職と地方移住を果たし、妻は私の住まいを「別荘」にしています。ただ、これも周囲からすれば不審者に見えるようですけど、そういうことを気にしないことも早期退職に必要なマインドのようです。はい。