55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

日々雑感(老害化しない人生を送るにはどうすれば…)

 私が小学校入学前後のある日のこと、父から電話があって「今日は会社に泊まるから」と伝えられました。ニュースを見ると、お茶の水から神保町界隈で学生のデモがあって機動隊と衝突していました。デモ隊は、地面のアスファルトをはがし、それを投石していたのですね。で、それが周辺のビルにも飛んできます。火炎瓶なども飛び交います。父の会社は、当時お茶の水にあったのですが、ビルの屋上に避難してデモの様子を見ている父(とその同僚)の姿がニュースに映りました。

 その頃、よど号事件、あさま山荘事件ダッカ日航機ハイジャック事件、テルアビブ空港乱射事件、三菱重工ビル爆破事件があり、成田空港管制塔占拠事件と続いていきます。今だと放映できないような生々しい映像が夜7時のニュースで流れていました。

 当時小学校低学年だった私が、こうした事件の背景を理解できるようになるまでは少し時間がかかります。やがて、山岳ベースで何が起きたかなどを知るようになると、それはやはりちょっと疑問というか嫌悪感を抱くようになります。

 大学に入ると、自治会×学生運動がまだ行われており、構内には檄文が掲げられていました。学費値上げに対する反対や大学内部の不正などを訴えていましたが、申し訳ないのですがあまり共感・関心を持つことはなかったです。彼らの一部は授業中の教室に入ってきてアジることもありましたが、私はそんな行動に対して冷ややかな目を返していました。いわゆる「ノンポリ」だったわけですが、それは思想信条的にそうなったというよりも、人の命や学問を軽視するような言動への嫌悪感と言えるでしょう。

 

 就職すると、60年安保、70年安保世代の方がいました。父の会社の前で行われていたデモに参加していた方や、成田で火炎瓶投げていた人もいました。就職が決まって髪を切った人々です。こうした人々は舌鋒鋭く権力批判を行い、総括を求めるのですが、私はちょっとついていけませんでした。「労使対立時代」だったわけで、こうした人々の活動によって労働者の権利が守られ、権力の暴走が食い止められていたことには感謝があります。でも、ノンポリの私にはちょっとついていけない部分や、対立・闘争するまでの知識や思想信条もなく、そもそも「髪を切った人への不信感」がありました。

 

 公務員に転職して、そういう人々が「公務員になっている」ことに驚きました。

 (あなた、国家・政府・権力に石を投げていたんでしょ…)

 酔うと、「我々公務員は人民のために身を捧げるのだ」「そのために私は公務員になったのだ」というのですが、そして社会的弱者のために様々な施策を進めるのはとてもすばらしいのですが、それが暴走して「ハコモノ行政×公金ちゅーちゅー」となり次世代の負担となったことは否めません。公務員から政治家に転身した人もいますが、その場合「人民」は「有権者・支援者」に限定され、「教育予算の削減・高齢者優遇・選挙利権の優先」となったことも否めません。

 人口減少社会を前提とした施策が理解できない人が多いのもこの世代でした(個人の感想です)。で、新たな施策を実行するためには、この世代への「根回し」が必要となります。根回しの場で伝えられるのは、「お前のやりたいことに賛成してやる代わりに、自己の選挙利権につながる優遇措置を認めろ」でした。

 もちろんお断りしますが、そうすると人事的な懲罰をしようと動き始めるのも一つの傾向でした。呼び出されて謝罪せよといわれるのですが、これが「総括か…」と山岳ベース事件と結び付けてしまったのは、あくまで個人の感想ということで。 

 

 という、繰り返しですが、これはあくまで個人的体験と感想に過ぎません。この世代にも立派な人はいました。ただ、立派な人は政治家への転身はせず、と言って上司に媚びず、その結果あまり出世せず、でも仕事の能力や見識は高く現場を支えてくれていました。

 また、さらに上の世代にはシベリア抑留や特攻隊の生き残りなどすさまじい経験をした方もいました。こういう人たちは自己の信念は持っていましたが、それを仕事に持ち込むことや価値観を他者に強要することはなかったです(個人の感想です)。

 

 私自身もすでに老害と化して久しいわけですが、「人はなぜ老害と化すのか」「どのようにして老害となるか」を少し考えていかないとと思う今日この頃。

 人生100年時代の新しいスキルとして、学び直しの目的として、人生修行として「非老害化」も大きなテーマになるかもしれません。