言葉では「課題発見×課題解決」は知っていても、それを実践・実装できるようになるまでは少し時間がかかりました。
基本的には、「夢を持つ」「理想を追求する」「諦めない」という教育・価値観で育ってきた世代です。これに対し、「現実を把握する」「課題を解決する」「変化を導く」ということは、大人になってから知った価値観。
つまり「課題発見×課題解決」は第二言語のようなもの。
意識しないと、その思考になりません。
「高度経済成長×人口減」の時代は、「夢を持つ」「理想を追求する」「諦めない」で夢の実現に近づけたのかもしれません。「三丁目の夕日」の時代ですね。
しかし今は、「天災×人口減」の時代です。「現実を受け入れる」「課題を見極める」「最適性」に基づいた思考も求められます。
というわけで、理想一辺倒ではなく、理想と現実とを結びつけて思考することが大切になってきました。が、これが意外と難しい。
たとえば、「人口減少地域における町おこし」では、「人口を増やそう、移住者を増やそう」という理想論に傾きがち。「人口を増やそう、今この町で暮らしている人が悩んでいることを解決しよう」という課題解決型の発想になかなかならない。
理想も大事ですが、目の前の課題が放置されれば、地元住民は「課題を解決するために都会に出てしまう」ことになります。悪循環ですね。
これが企業だと、「中途採用に依存して、社員の育成を怠る」「自社の課題を見極めず、理想を実現してくれそうな外部人材を重用する」ってことになります。この場合、理想を実現できても、課題を放置することによるデメリットの方が大きくなって、組織としては滅びる方向に向かいます。
国家の衰退・自治体の破綻の前夜には、「理想を主張しつつ既得権益を維持しよう」として、公共事業や自治体への財政負担を求める「議員×市民」が登場します。
その声に押されて、「課題と向き合う、最適な解決策を立てる」ことが後回しになると、「公金チューチュー」が加速して…ということですね。
というわけで、企業研修でも、学習支援でも「課題発見×課題解決の発想」を第二言語として身に付けてもらうことを意識しています。
そういうことが、お仕事としてできることに幸福を感じています。はい。