55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

高校生の対話を傾聴する(学習支援ボランティア)

 

1カ月ぶりに高校生との対話の時間

 学習支援ボランティアとして、ある高校の小論文作成のお手伝いをしています。

 と言っても、私が行っているのは「書かない小論文」。

 要するに、ZOOM、Googleの機能を使って「討論」を行っています。討論をしながら、自分の考えを言語化し、課題を絞り込み、論点を決める。それぞれの論点を共有して、課題が起きる原因を俯瞰的に捉える。課題解決の方向性を考える。という感じ。

 定期考査が終わって再開ですね。昨日は、高校2年生。

 ウォームアップの話題は何かと思えば、例の公園閉鎖のことでした。お隣長野市のことですね。高校生的にも興味があるというか、気になることらしいです。

 

高校生のご意見は…

 全員一致していたのは、「世の中にある定番の構造」にあてはめた報道・批判になっているのではないかということ。その構造にあてはめることで、情報の取捨選択がなされ、想定された結論にふさわしくない情報が捨てられたり、都合のよい情報だけが切り取られているのではないかということですね。

 結論ありき、つまり、誰かを悪者にして糾弾してスッキリしたい人がこの議論に参加していると、解決には進まない。実際、この問題は「誰も幸せにならない方向」に進んでいるよね…というのが最初の15分。

 「高齢者が子供の声がうるさいと言った→公園が廃止になる」という因果関係は、「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じで、途中のさまざまな要因が省略されている。この省略されていると考えられる要因を整理してみようかが次の15分。

 報道されている情報に基づけば、廃止の要因はこれ。

 「使う人がいない→管理する人がいない」

 「使う人がいない→使わないものに借地料は払えない」

 報道の論点は「誰が使う人をなくしたか」。それは、クレームを入れた人なのか、公務員の判断なのかという二者選択になっているよね…というのが、高校生の実感のようです。

 

高校生4名の出した結論は

 思うことはたくさんあるようで議論百出ではありましたが、話題の件についての「解決の発想」を見出すことはできませんでした。現地での取材がないと無理という意見も出ました。「この件で、この地域に住む人が窮屈にならないといいね」などの寄り添った発想も出てきました。

 で、最終的な結論は、「こういう問題は予防しかない」でした。「問題として表面化したら、解決は難しい」ってことです。だからと言って「隠ぺいするのがよい」ではないです。このあたり、言葉にするのは難しいですね。

 また、最終的判断を役所に委ねるのはどうよ…という意見もありました。地域の問題は、地域の住民が判断しないとダメだよねということ。報道情報に基づけば、地域の代表者との相談に基づいた結論でもあります。ただ、そのどこかで「ボタンの掛け違い」があったのかもしれません。そもそも「子供の声」って、解決しないといけない問題、解決できる問題なの…という意見もありました。

 

私からお伝えしたこと 

 地域の行事・イベントには自治体主導のものもあります。

 たとえば観光系でちょっとしたお祭りをしかけたりします。もちろん、地域と協力して。すると、クレームも来ます。「なぜ歩行者天国にした。車が通れなくて困った」「太鼓の音がうるさい」「バイクの音がうるさい。お祭りに来た若者ではないか」などなどです。

 で、こういう意見ばかりだと、イベントの実施報告書が「住民からのクレームが多かった」になってしまうのです。となると、継続実施にはなりません。

 お願いしたのは、そういうイベントに参加して、「楽しかった」「よかった」「この地域の課題解決や未来に希望を感じた」と思ったら、そういうことも主催者に伝えてほしいということです。

 役所やイベントのHPにメールで送ってくれるとうれしいです。

 これからは、多様性が重要です。何をやっても「賛成と反対と」が存在することを受け入れる方がよいでしょう。その方が社会として健全と言える部分もあります。

 ですから、「よかった」という意見も言葉にしてください。

 今の世の中は「よくない」ことが言語化されやすく、大きな影響力を持っています。「よかった」と「よくなかった」とが、対等である(というのは語弊があるかもしれませんが)ことが、予防になるかもしれません。

 もちろん、「よかった」だけになるのも危険です。

 

 多様性ということ、その先で「みんなが幸福になる社会を創造する」ということが確認できたのが、昨日の収穫。

 みんなが幸せになる

  ↓

 困っている人が救われる

  ↓

 誰かが不幸になる

  ↓

 誰も幸福にならない

 という4段階に言語化されました。