55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

10年目の答え合わせ

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 お仕事で、東北にいます。

 車で来たので、石巻方面を巡りました。最初に大川小学校に。

 

大川小学校で何があったのか

 東日本大震災津波で、児童・教員がたくさん亡くなりました。

 その後、裁判になったりもしました。

 私にとって大きな宿題の一つで、では自分がそこにいたらどんな判断ができたか、

このようなことを繰り返さないためにはどうしたらよいか、ずーっと考えています。

 

個人の責任を問うだけでは再発は防げない

 起こったことに対する責任追及は必要でしょう。

 ただ、個人や組織を処分と、再発防止とは、良い意味で切り離して考えましょう…ということを、わかってもらうことに苦労します。責任の所在と処分が終わると、忘れられてしまうことが多いのです。ある意味で「思考停止」すると言えるでしょう。

 で、私のお仕事はここからで、二度と発生しないようにするにはどうしたらよいか…を、細々とスタートするのです。

 

この件は、再発防止策がなかなか見えなかった

 震災時、宮城県で勤務していましたが、大川小学校の件には直接関係することはありませんでした。しかし、個人の宿題として考え続けました。

 その場に自分がいたら、何ができたか。どうすれば全員が助かったか。

 しかし、その答えを導くことがとても難しいものでした。

 要因として考えられることは多岐にわたり、それが複雑に絡み、どうにも解決の手がかりが見つからないのです。

 

組織を離れてやってわかってきたこと

 組織を離れると、個人になると、視点や思考の軸が変化します。

 組織を離れることで、私の中でいろいろなことが結びつきはじめ、原因・解決・再発防止の発想が見えてきました。

 一言で言えば「組織と発想の問題」なんですね。

 人々は、先生たちに「正解」を求めます。先生方も「正解」を伝えようとします。

 しかし、自然との共存・対応に「正解」はありません。いわゆる「正解はない」のです。ここでポイントは2つです。

 ①「正解がない」というと、怒ってしまう人の意見には巻き込まれない

 ②「正解がない」状況に「正解」はないが、「不正解」はある。

 

現場によくあること

 いろんな人がやってきて、それぞれの「正解」をぶつけてきます。

 彼らは、自分の意見が「唯一解」だと思っているので、非常に強い主張してきます。

 これが、混乱の原因なんですね。

 しかし、実際には正解はありません。正解のない場面にあるのは「不正解」。そういう意味で「正解が出るまで待機は、不正解だった」かもしれません。自然の脅威・災害発生時に「待機は唯一の不正解だった」と、今ならわかります。

 

組織の合意形成

 災害避難は「2段階の発想」が必要です。

 例えば、船が沈むならば「ボート」に乗る。さらに「ボートに乗ったら、救助されるまで生き残る」まで含めて「避難」です。手ぶらでボートに乗っても困るんですね。温かい恰好をする、水などを持参することが理想です。そう考えると、「何も持たずにすぐ逃げろ」という指示も考えた方がよいでしょう。

 待機はダメですが、大事なもの・必要なものを持って逃げる…そういう指示が必要です。「一次避難~二次避難」の流れを作るんですね。

 と簡単に書きましたが、こういう発想そのものに反発があるのです。

 となると、事前の合意形成が重要です。つまり「責任者出てこい」では、再発は防げないんです。

 

自分の中で結論が出つつある

 東日本大震災から10年目、やっと答え合わせが進み始めました。

 それを確認するため、現地に足を運ぶ機会があって、よかったです。

 犠牲になられた方のご冥福をお祈り申し上げます。