◆企業も生き残りをかけて変化を求めている
いただいているお仕事には、企業研修や採用などもあります。
問題作成とその評価が中心。そのため、企業名は知らぬままのことも多いです。で、先日、ある業務の企業名を知りまして…かなりの大手企業でちょっと焦りました。
同時に、誰もが知る日本を代表するような大手企業が、「このままでは…」という強い危機感を持って社員教育・人材確保を進めていることに、少し感動しました。
◆俗に「21世紀型教育」と言われていますが…
昨今、学校教育が大きく変化しています。大学入試もだいぶ変わりましたが、その変化が最も顕著に表れているのは「中学入試」かもしれません。思考力入試とか、中にはLEGOを活用して受験生の思考力・協働性などを評価する学校もあります。
従来型学力である「知識・思考」を前提として、その先の能力を試します(ですから、何も知らなくてもよい、知識は不要というわけではありません)。
お仕事で関わっている研修などでも、「知識・分析力」を前提として、その先にある「独創性・効果性」「多様性・協調性」「倫理性・合意形成」などまで踏み込んでいきます。そういうことが見えるような問題を作るのも大変ですが、それが面白いところです。
◆答案を見ると
たとえば、Aという図表を見て、そこに内在する未来・可能性などを記述してもらう問題を作ります。
従来型の学力が強めの受験生は、「Aという図表の説明」「自分の知識とAという図表を結びつけた考察」を示すことが多いです。
一方で、21世紀型の学力が強めの受験生は、「Aという図表から読み取れる可能性」「Aという現象が解決できる社会課題や人々の幸福創造」に言及します。
これは、どちらが正解とか、優れているとか、そういうことではないです。どちらも正解です。
ただ、戦後の人口増加を前提として構築されてきた日本社会は、その根本的要因である人口が減少になっています。つまり、知識・分析・前例だけでは、解決に至らないのです。となると、後者の21世紀型の発想をもった学生を採用すること、そういう発想を研修で育てることが求められます。
そうじゃないと…企業の存続が…ということですね。
◆偏差値や知名度とは異なる結果が出たという連絡があって…
お手伝いしている研修や採用先から、そういう連絡が入ると、少しうれしいです。
いわゆる「学歴フィルターによる機会損失」もあるわけで、その解決に寄与できたならとてもうれしいです。
この先の課題は、新しい発想を持った新入社員も働きやすい組織にすること。新しい発想は、従来型の価値観の中では評価されません。新しいワインは、新しいボトルに入れる方がよいわけで…。
そういう勉強がこの冬からの宿題。
お仕事に終わりがないのはつらいですが、勉強に終わりがないのは楽しいですね。その前に、早く今の業務を終わらせます。