早期退職して、組織を離れ、無職となり、個人で業務委託契約をしてお仕事をもらうようになりました。そうすると、「現役時代×組織に所属」していた頃は理解できなかったことが、体感としてわかるようになりました。
◆プロ野球選手の「最初に声をかけてくれた球団に移籍する」
FAや、ちょっと理不尽な自由契約になった選手がこう言います。
複数の球団から話がかかるなら、「プロ」ですから、年俸や待遇が一番良い所を選んでもいいと思うのです。ちなみに、公務では「入札方式」ですから、役所にとって一番いいところ=価格が安い所を選びます。同じ理屈です。
しかし、「最初に声をかけてくれた人を選ぶ=感謝する」ということが、組織から離れると、身に染みてわかります(笑)。
お金で決めるのは「契約」=「評価」
順番で決めるのは「約束」=「信頼」と、しみじみ思う日々です。
◆他者の幸福を導くためには、まず自分の幸福を
昭和生まれには、自分の幸福を抑制する価値観があります。
自己犠牲が優先。あんまり、喜びを表に出してはいけないんです。
公務員時代、市民の方々のご意見を伺っていると、私たちが不幸になることが市民の幸福なんだな…と思い詰める場面も少なくありませんでした。
というわけで、「笑顔=不謹慎」「他者の幸福⇒自分の幸福」という発想で固まっていた部分もあります。
で、個人になって、自分の幸福を大事にする「罪悪感」が少しずつ和らいできまいした。
◆収入があると
「勤め人×月給」の頃は、「ストレスに耐えることも給与のうち」という意識がありました。そういう意味で、お金は「自分のため」に使うことが多かったです。
今は「個人×お仕事した分」です。自分で稼いだお金なのですが、それ以上に「お仕事をいただいた、声をかけていただいた」ことへの感謝が大きいです。
そういうわけで、最近は、昔関わっていた「子育て×教育」で頑張っている個人・団体に寄付することが増えました(金額は小さいですが)
◆これも早期退職してよかったことですね
「昭和の価値観×組織人×公務員」は、「耐えること×自己犠牲=徳を積むこと」という価値観で育った世代で、「自分の幸福=罪」という意識がありました。
自分が幸福になることが「利己主義・エゴイズム」なんですね。
「みんなが幸福にならないと個人は幸福になれない」「諸悪の根源は家庭の幸福」なんです(笑)。そういう価値観に、無意識に縛られていたと思います。
個人になった今、いい意味で「自分の幸福×自分の機嫌を取ることの大切さ」を素直に実感できます。
早期退職による経済的な不安、モノからヒトまで断捨離した孤独などの「負の感情」が消えるわけでありません。しかし、「自分の幸福を望んでよい」という気持ちが、不安を上書きしてくれることも増えました。
というわけで、来月のお仕事も入りました。
1年半経過して、やっと前に進み始めたと感じる今日この頃です。