55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

早期退職の幸福とアンラーニングと

 

 早期退職して4年経過しましたが、一応、まだ50代です。

 原稿書きのお仕事をいただくようになったのは、早期退職してから半年後にご縁があってからです。格好良い言い方だと「フリーランスの原稿書き」、公的書類の職業欄には、「自営業」「ライター」「嘱託職員」などの記載となります。

 お仕事は教育系企業からいただいていますから事実上は「下請け」、ねじを作る個人の町工場みたいな感じです。ただ、日本のものつくりを支えたのは、こうした町工場のねじだったわけで、質の高い原稿を書くことが大事と考えています。

 

 最初は、かなり高度な専門性が求められることや、畑違いの分野の案件もあって、「こんなの一人で書けないよ」と不安になりました。ただ、知的好奇心を刺激されたのも事実、松本市図書館の蔵書の質の高さに助けられて、何とかかんとかここまで続けることができました。

 思うのは、50代のうちに新しいお仕事を得て、新たな学びを進め、クライアントと信頼関係を構築し、フリーランスという環境に慣れるということができてよかったということ。定年退職後・還暦すぎからでは、体力的にも知的にも、ちょっと厳しかったと思います(個人の感想です)。

 もう一つ思うのは、案外幸せなのではないかということ。

 

 組織人として年齢を重ねていくと、役割がマネジメントになっていきます。

 自分のチームのマネジメントだけでなく、関係者と連絡・調整も必要。

 そこでは、価値観や利害関係の異なる人との交渉も求められます。交渉ならよいのですが、中には「根回し・裏取引」という建設性のかけらもないブラックボックスに飛び込まないといけないことも少なくありません。そこでは「大人になりなさい」という言葉を受け入れることと清濁併せ吞む器量が求められます。ただ、大人になって清濁併せ呑んだ場合、責任を被るのは私になるのですけどね。成果より責任が優先されるというのはどうなのでしょう…。

 

 今は、価値観や利害関係の異なる人とかかわることはありません。

 それどころか、担当者も含め、価値観をアップデートし続けているばかりで学ぶことが多いです。求められるのは、清濁の濁を課題として可視化することとその解決です。

 ありがたいです。

 

 世の中には新旧取り混ぜた多様な価値観が混在しています。

  封建主義⇔実存主義

  実存主義構造主義

  構造主義ポスト構造主義 ですね。

 高齢化社会の課題は、封建主義からアップデートされていない価値観を持つ人が決定権を持つことです。ただし、これは高齢者に限定された問題ではありません。10代、20代でも封建的で強い保守性を持つ若者はいます。こうした封建制・保守性が現在の日本を構築してきたわけで、こうした過去を根拠とした価値観・主張は根強い力を持っています。こうした古い価値観は実は少数派かもしれません。しかし、少数派であっても、決定権を持っているのです。それが選挙結果なんですけどね…。

 そういう状況から離れて暮らせるのはとても幸福です。

 

 早期退職することで古い価値観から離れ、少しでも若いうちに新しい価値観に慣れること…、アンラーニングですね。今は、これが幸福の実感。

 50代のうちに、これに取り掛かれてよかったとしみじみ思う今日この頃です。