という危険な企画がやってきました。
◆早期退職した人間が高校生と何をしゃべるのか
いわゆる「講演」ではないです。
「高校生5~20人」対「私1人」。
内容は、公務員のお仕事とか、プロジェクト学習のこととか、広く「進路」と言われるものですね。お金のことなども含まれます。
一応、質問事項などが届いたんですけど、そういう内容ですね。
◆ZOOMか、対面か…
私はZOOMが良いのですが、できれば来てほしいという…。
当日は、私以外にもゲストがいるのですが、多くはZOOM希望。で、ワクチン2回接種済みの私にはできれば来てほしいそうです。
ただ「公立高校で出せる旅費」はよくわかっているつもりです。たぶん赤字(笑)。
公的機関からの依頼に対する「経費・謝金」には、細かい規定があります。
まず、基本給(笑)は、学歴・社会的立場によって決まります。「国内大学の博士課程卒業×大学教授・一部上場企業のトップ」が最高額。私の場合は「無職」なので基本給がガクッと下がります(笑)
交通費は、高速道路を使った場合も、特急「あずさ」を使った場合も「領収書」必須。「ETCとネット予約」のご時世に面倒ですね。
先ほどメールで記入書式が届いたのですが、これ「民間の人」が見たら、記入事項の多さと謝金の少なさに怒ると思います。実際、公務員時代に「お怒り」をいただたこともあります。
で、いつからこんなことになったのかというと「市民による監視と情報公開」から。もちろん、それを否定するつもりはありません。ただ「営利事業ではない」とは言え、ここまで削るのは「世間の相場」に反し、「学歴で謝金が決まる」ってのはこれからの時代の価値観としてどうなんでしょうね。こういう規定を求めたのは「市民団体」なんですけど。
今回の場合、学校の授業なので1コマ50分。つまり「休み時間10分と税金10%」は謝金から引かれます(笑)。2コマで5,000円くらいでしょう。
◆プロジェクトの成否は何で決まるのか?(脱線してすいません。話を戻します)
哲学に「最高善」という言葉あります。
大学・学部・職業の選択は「好き」「興味」が始まりです。ただし、ここから「社会の課題解決」「人々の幸福の実現」「知の創造」に結びついていくことが重要。とは言え、基本的には「自分のため」で良いのですが、「自分の幸福が、他者の幸福を導くこと」が大事。「自分の幸福のために、他者の幸福を奪うこと」はいけないこと。
それが「市民性(シティズンシップ)」「公共性」なんですね。
現代の最高善は、これに近い価値観ではないかと思っています。
で、プロジェクトの成否は、最高善の意識の有無に左右されます。
◆「みんな○○すべき」では解決しない
たとえば、貧困に対するセーフティネットはいろいろあります。にも関わらず、解決するどころか、格差は開く一方です。
いろいろな考え方はありますが、私の場合は「貧困を解決する社会システム」よりも「貧困を生み出す社会システム」の方が強いから…という仮説でスタートします。
要するに「貧困を生み出す社会システム」の分析から入るのです。その時「貧困が解決した社会とはどういうものか」ということも一緒に考えてもらいます。
誰かのせいにしても、個人の責任にしても、社会課題は解決しないのです(笑)。
ということを高校生に伝えつつ、志望理由書などのアドバイスをしているのですが、
それを、学校でやるのか…。不安におびえる今日この頃です。