土曜日の朝は静かです。
近くの川の流れる音が聞こえます。
東に見える山には靄が掛かっていますが、西の空は晴れています。
午前中は、東からの風が部屋を通り抜けます。
◆ある時期、夏休みを志賀高原で送るようになる
30代後半頃から、夏休みを奥志賀で過ごすようになりました。
この時間が、心身の安定剤でした。このために一年間頑張れたと言えます。
エアコン不要の涼しさの中で、散歩、読書、惰眠をむさぼる。
夜は、小澤征爾と桐朋学園の学生の演奏を聴く。
心と身体が休まり、文学と音楽の世界に救われました。
◆文学散歩でもしばしば長野に…
遠藤周作は、戦争中、月一度軽井沢の堀辰雄を訪ねています。
彼の文章から、追分、塩名田などの地名を知りました。特に塩名田は「日本一美しい村」と紹介され、遠藤周作の作品の舞台にもなっています。
北杜夫は、旧制松本高等学校出身。
当時のエピソードは「どくとるマンボウ青春記」の通り。作品に出てくる場所は、現在の自宅から徒歩圏内(笑)。
いわゆる「文学散歩」で長野を訪問することは多かったです。藤村は「小諸なる古城のほとり」と書いていますし、堀辰雄が入院していた富士見高原病院、立原道造と水戸部アサイの思い出の地、「夢見たものは」ですね。
◆東京で稼いだお金を松本で使う
信州に移住しましたが、農業もカフェ経営も起業もしません。
お仕事のスタイルは完全リモートワーク。
つまり、東京でお金を稼ぎ松本で使う。
これはこれで、地方移住の新しいカタチになればいいなと思っています。
地域や人との付き合いが苦手でも地方移住できる。東京のように、自分の存在を消しながら地方で「仕事×生活」ができる。「現在の仕事×生活スタイル」をあまり変えずに地方で暮らす。
こういうパターンを「松本市」で実現したいと思います。
可能性は高いと思いますね。
◆部屋からの風景が…
東の部屋からは、市内の街並みと山の稜線が見えます。
西の部屋からは、松本城と北アルプスが見えます。
今まで、数時間の自家用車移動と数万円の滞在費を払っていた景色が、目の前にあるのです(笑)。これに、部屋を通る風と、湧き水で作ったコーヒーが付きます。
とは言え、松本も冬は厳しそう。
でも、冬が厳しい土地の5~10月は、本当に美しい、最高の季節なんですね。
今は、この美しさを満喫したいと思う今日この頃です。