テーマ「思い出すこと」
危機管理の前提は「都合のよくない事実」を根拠に「最悪の未来」を想定すること。
しかし「課題の存在を認めない人」がいると危機管理の前提は崩壊します。
世の中には「平時に有能な人材」と「緊急時に有能な人材」とがいます。
私が社会人になった頃、職場には両方の人材がいたのですが…
◆目次
公務員に転職して受けた研修内容から
◆公務員が17時に帰宅する理由
問い「公務員の就業時間17時です。それはなぜかわかりますか」
答え「非常時は24時間勤務になるからです」
◆緊急時に「定時」なし
緊急時、公務員は「家族」より「住民」の安全が優先になります。
だからこそ普段は17時で帰宅し、自分・家族・地域との時間を大切にするという知恵なんですね。
帰宅したら「地域の一員」として行事に参加し、「地域の自助」に協力するのも大切でした。避難訓練とかも地域で行いますしね。
緊急時に有能な人とは
◆リリーフ投手など「チームの緊急時」に登場する人
平時に評価されるのは、例えば「菅野投手(巨人)」のような「先発完投型の投手」
しかし、「菅野投手」が打ち込まれれば緊急事態。そこで「リリーフ投手」の出番になります。
この「リリーフ」が「緊急時に有能な人」。
野手だと「増田選手(巨人)」のように「チームの緊急時」に登場する人。
◆緊急時に有能な人材は「スタメン、レギュラー」ではない
チーム内では「補欠・二軍・アンダー、トレード・リストラ候補」という評価。
企業・役所では「余剰人員」(あの人も昔は活躍した時もあったんだけどねぇ…)。
この「余剰人員」を抱える余裕のない組織、或いは「余剰人員としか評価できない組織」は、緊急時の対応に苦労することになります。
時を経て、危機管理の余裕がなくなる…
◆公務員の定数減(行政改革、市町村合併、民営化…)
定数減によって「失ったもの」は二つあります。
一つは、多忙化が進んで帰宅時間が遅くなり、「家族や地域との時間」がなくなり、「地域の自助」に参加することができなくなったこと。
もう一つは「緊急時に有能な人材」です。
◆人材がいなければ、緊急対応が外部委託に
例えば「10万円の支給」を外部委託した自治体もあります。
事務作業を効率化したくても人材がいない…というわけで外部委託になります。
批判ではありません。通常業務をしつつ、素早い支給を実現する最適解は「外部委託」だと思います。
で、費用はどこから?(笑)
まとめ
1,危機管理を理解できる人が組織から減ってきている
2,危機管理を理解できる組織も減っている
3,危機管理が機能しない状況は「人災」の場合もある
4,平時の価値観、緊急時の価値観、それぞれの重要性を理解し使い分けましょう
人口減、少子高齢化、科学の進歩を背景とした社会変化が進んでいます。
温暖化による気候変動も大きく、毎年日本のどこかで災害があります。
危機管理に適性を持つ人材を大事にして欲しいと思います。
(旧制松本高等学校の校舎にて)