テーマ「本音と建前」
とにかく、今の若い人は優秀。
「普通」のレベルが、私たちの時代よりずっと上がっています。
そのことを、大人は気付いていいないかも…
◆高校生の志望理由書の作成をお手伝いして
昔は「推薦入試」と言いましたが、現在の高校3年生から名称が変わります。
・総合型選抜 →以前の「AO入試」
・学校推薦型選抜→以前の「推薦入試(公募)(指定校)(スポーツ推薦など)」
で、知り合いの先生にお手伝いをお願いされたのは「志望理由を引き出すためのワーク」。そこで以下のツールを使いながら対話を試みました。
・ライフストーリーチャート
・リフレクションカード
・LEGO
◆感じたこと
高校生は型通りの志望理由を準備しています。
その仕事に就いて、どこで、誰のために、どのように働きたいか、その実現のためにどんなプランを立てているかなどはもう見事。もちろん、その理由も。「自分の未来」について型通りに書かれた文章と美しい内容は、もう就活の大学生以上(笑)。面接官がこの志望理由書を読んだら、質問項目が浮かばないほどストーリーが完結していて矛盾がありません。
しかしこれ、視点を変えれば「大人が喜びそうな内容と表現をチョイスした文章」に過ぎません。
確かに、相手が求めていること、期待していることに対応する能力は必要。なぜなら「未来を創る」ためには、信用を得て、結果を出して、上司を出世させて…という修行を経て「まず自分のポジションを確立すること」が必要だから。さらに言えば「そういう校風・社風」「そういう新人」を求めている大学・企業が多いから。「新人はそういうもの」って大人は無意識に思っているから。
だから、高校生の志望理由書は「型通りの美しい内容」になる。それは、大人がそういうものを求める・評価するオーラを出しているからかもしれません。
◆思い出すこと
同世代の仲間と仕事の話になると「若手育成」の課題と悩みに行きつきます。
論点を整理するとこうなります
・若手の退職希望者が増えてきた(公務員の場合、内定辞退者も増えてきた)
・優秀な若手の能力が評価されない、活用されない、適切な人事配置がされない
・現場に「競争で勝ち残るものが勝者」という価値観が強く、
退職・休職の「予防」が進まない
私も定年前に退職したので何となくわかるのですが…退職理由で「本当のこと」は言いません(笑)。
退職してゆく若手も同じようです。円満退職のためには、「型通りの美しい退職理由」が必要だから。
このように「本当のこと」が伏せられている状況で「適切な予防策」は成立しません…。そして「辞めたヤツが悪い」「最近の若者は弱い」と言いつつ「入社試験のやり方を変更」します。でもうまくはいきません。
試験方法を変えても、評価の基準はそのままだからです。結局、「型通りの美しい志望理由」を述べた学生が評価されて合格し、「美しい退職理由」を述べて去っていきます。
◆学校の先生も同じことで悩んでいる
部外者である私に協力を求めたのは、これが理由ですね。
そこで、本人も気づいていない「本当の志望理由」の掘り起こしを試みました。大学での学問、希望する職業を志した原点は人生のどこにあったのか、実現したい理想は、最も大切にしている価値観は…などをテーマするワークを行いました。
長くなってしまったので、続きは明日