九州全体に豪雨被害が出ています。
お見舞い申し上げると同時に、救出・避難・生活支援を担当されている方々に感謝申し上げます。
できるのは祈ること。あと熊本県のリンクを貼っておきます。災害支援目的の寄付ができます。
www.pref.kumamoto.jp
◆目次
思い出すこと
◆転勤で東北に赴任した時のこと。
冬になれば雪が日常。東北でも日本海側では「豪雪」もありますが、太平洋側なら「雪」で休校、会社が休みになることはありません。東北地方で「大学入学センターテスト」が「雪」で延期になった記憶もありません。何かあっても「渋滞で遅刻」程度です。
◆転勤で沖縄に赴任した時のこと。
沖縄の雨は、爆弾低気圧と思うような強い雨、亜熱帯の「スコール」です。「すごい雨ですね」と挨拶すると沖縄の人からは「これが普通だよ」と返ってくる。ちなみに、台風は南の海で発生してそのまま直撃します。そう思って建物、街作りを見ると先人の知恵が見えてきます。台風の備えは「停電」が主。あとは通り過ぎるのを待つだけでした。
3㎝の雪で交通機関が混乱し、台風で水があふれ、建物が飛散する東京。これに対し、雪・雨・風という自然を受け入れ、その被害を最小限にする建築・街づくり・暮らしを工夫して来た地方のあり方。いろいろ思うことがありました。
◆東日本大震災で被災した時のこと
大切な方を亡くした方は、「なんでもっと早く逃げなかったのか」とつぶやかれていました。
最悪を想定することへの非難
物事を実施する場合、「効果」と「副作用」とを同時に検討し「合意形成」まで進めます。しかし、いつの頃からか「スピード」が優先されるようになりました。こうして、副作用の対策・合意形成がないままに物事が進むようになりました。加えて予算確保も「重要性」より「政治力」の方が強くなり、トップダウンで指示通り実施することが評価になってきました。そうなると、少しずつ現場の実態から乖離してきます。「事件は会議室で起きているという掛詞的状況」になり、こちらから「最悪の想定・副作用の対策」を具申すると不快感を示されるようになりました。
その代表的なものの一つに「治水」もありました。
温暖化による気候変動
これからの治水を考える時「年間総雨量」を基準に考えても、あまり意味がありません。肝心なのは「時間当たりの最大雨量」です。
温暖化は、「日本の雨」を「亜熱帯気候のスコール」に変えていくような気がします。同時に「河川の整備」だけでなく「山の管理」も必要です。「先人からの知恵によって山の管理を行う番人」の伝統をつないでいくことですね。
そして、「治水」に一番重要なのは「逃げろ!」と叫んでくれる人です。
「自然の脅威」を前にした時、「逃げる」は大切な知恵です。
自然の脅威から逃げることは「恥」ではありません。そもそも「逃げてくれないと、救えない」のです。「救う行為」は「逃げることを促すこと」から始まるのですから。
地域には「空を見て明日の天気がわかる人、田植えや稲刈りの日を決めることができる人」がいます。こうした人は「ダメだ、逃げろ」と言ってくれました。
そういう人は、実はまだ多くいらっしゃいます。しかし、その言葉に耳を傾ける人がいなくなったような気がします。結果、「逃げるは恥」「正常性バイアス」の方が勝ってしまう事例を見てきました。それを責めているわけではありません。これも時代の変化の一つということです。
復興段階に入ったら
今は、テレビを見て無事を祈ることしかできません。
できるのは少しばかり寄付をするくらい。
心配なのは、復興段階に入った時、県内外からの復興支援ボランティアの参加が難しいこと。おそらく地元の若者が力仕事を担うことになると思います。
思うのは、ボランティアで力仕事をする若者の安全を優先して欲しいこと。
破傷風、熱中症、感染症など、水の災害現場には、目に見えない危険がたくさんあります。それらから身を護ってあげてください。何より、学校再開は地域の日常再開の指針の一つです。就職・進学を控える中学3年生、高校3年生が学習できる環境が優先的に整うことを願っています。