大震災の数年前、東北勤務となりました。
温泉と蕎麦と海の幸に惹かれて仙台にマンションを購入し、その後、震災がやってきました。公務員でしたので、東奔西走の日々でした。11日の朝、出勤時にガソリンを満タンにしていたのが幸運でした。
私の場合は、10年経って言葉になることが多いです。
東北も、お仕事も離れてしまったので、復興に関しては心残りが多いです。
心残りというより、罪悪感ですね。
東北に定住して復興のために働こうと思っていたところ、まさかの東京経由・沖縄異動の辞令が出るという、想定外の人事もありましたし…。
ただ、沖縄で学んだことも大きいです。
沖縄には、自然の脅威に逆らわないという知恵が根付いていました。
地震が来たら、津波が想定されたら「逃げる」…これが、自然の脅威に逆らわないということなんですね。そういうことを、風化させず、身近なことと結び付けて伝えていくことが大切だと思っています。
沖縄の人は、戦争について積極的に語りません。
しかし、沖縄戦の遺構を残し、若者にその歴史を語り継ぐ教育を行っています。
そういう「沖縄の知恵」からもっと学んだ方が…と思っています。
言葉ではないものでも、後世にその教訓を伝えるものはあるんですね。
「語り継ぐ」という営みの目的は何か。
それは、失われずに済んだ命があるはずだから。
生き残ったことで苦しい思いをしないため。
福島出身というだけで生きづらさを抱えないため。
あなたの街が、ずっと地図に残り続けるため。
だから、風化させないという言葉に反感を持たないでください。
時に向き合うこと、それがあなたの命を守ることにつながると思います。
