55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

災害避難とその後のことを思い出すままに

テーマ「避難とその後のこと」

 東日本大震災の被災経験から、思い出すままに。

 まず、自分の身の安全を確保することが、暮らしている地域の暮らしと安全とを確保することになります。逃げることは恥ではありません。後から「逃げ損だったね」と笑えることを祈って、まず避難してください。

 あと、熊本県人吉市の動きを貼っておきます。

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◆目次

 

逃げる時に可能な限り持参した方が良いのは

 思い出すのは、数日後の早朝から金融機関の前にできた長い行列。

 津波で家を流された方の多くは、自宅に保管していた印鑑・通帳類を失い、現金を下ろすことができない状況にありました。そんな方のために各金融機関は、特例で一定の手続きを経て現金を渡しました。そのための長い行列でした。

 この行列に並んだのは「自営業」の方も多かったです。会社の通帳・印鑑を失ったのです。これは会社の死活問題になりかねませんので、自営業の方はお忘れなくご持参ください。

 あと、避難所運営の立場でとても困るのが、被災者の方から「持病の薬」を要求されることです。

 避難所運営は、避難所となった施設の職員が担当になります。学校なら教員、体育館ならその体育館の職員です。医学は素人です。また、病院や薬局に行っても薬は本人でないともらえません。そもそも「(病名)の薬」と言われても、その薬の正式名称がわからないと出せません。病院は機能を失っていることもありますし、災害時は救急優先になっています。持病の診察の優先順位はその次にならざるを得ません。

 ・通帳、印鑑、カード

 ・自宅の方は「権利書」

 ・身分証明書(マイナンバーカード、保険証、免許証など)

 ・お薬手帳(持病のある方、通院・投薬治療中の方)

 

可能であれば、安全が確保できる県外、他地域まで避難する

 現実には鉄道・道路・移動手段にもよりますが、逆に言えば、移動手段が稼働してうちに、日常が機能している地域まで逃げた方がよいです。そのタイミングを逸した場合、まず近所の避難所に入って、その後からでも良いです。親戚を頼っても良いですし、ウィークリー・マンスリー契約のマンションに動くこともありです。雨が止むまでで良いです。

 自分の安全の確保も含め、様々な点で有効です。何より、災害後の長い復興のために、自分の体力を温存し、被害からどのように立ち直るかを考えることができます。また、周囲の人々のためになることも多いです。例えば、避難所で不足している物資を入手し届けることもできます。可能な方に限られますが、こういう方がいらっしゃると助かることが多いです。

 

罹災証明書の発行について

 大きな被害を受けた方ほど、この証明書が必要です。

 これがないと、保険・補償などの手続きが進まないんですね。各市町村役場は、この書類発行の準備を進めていると思いますが、これはこれで大変なんです。

 経験のある地域から経験のある職員を派遣できれば良いのですが、新型コロナウィルス感染という状況の中、どういう判断を下すか、難しいと思います(個人的は、他地域から応援職員を派遣し、被災地域の復興を進めることが優先と考えていますが…)。

 

人口減少地域の復興について

 人口減少が進む地域において、災害は致命傷になりがちです。これを機に、地域から離れる人が増える可能性が高いからです。

 怖い思いをした場所に住み続けたくないという人、商売をたたむ人、子供の教育を考えて都心部へ一家転住する人など、要するに「普段から地元での暮らしの継続について悩んでいた人たち」が行動を起こします。

 個人商店が閉店すると一番近い都心部のスーパーへの買い出しが日常となり、子供たちのいる家庭が転出すると高校~中学~小学校の順番に統廃合が進みます。学校がなくなると、子育て世代は学校のある都心部に転居し、地域の少子高齢化は加速します。

 復興段階では、まず地域の学校再開を軸にインフラ再建を進めるのが良いと思っています。学校再開は、地域に「日常が戻って来たという実感」を産みます。また、子供たちと一緒に「地元の未来」について考える時間を持つことも大切だと思います。子供たちが、地元の未来を考える機会がなければ、都心部の学校に進んで大学進学を目指すという選択をするのが当然の帰結になります。

 ただ、今回の難しいと感じるのは高校です。通学の足である鉄道に被害が出ています。それも橋が流れるという状況ですから、鉄道の再開は難しく、道路の橋にも被害があるならば、バス輸送にしても迂回が必要になるでしょう。

 

子供たちの高校・大学への進学について

 テレビで見る限りですが、被害はかなり大きく、今後「名称」が付くレベルと思います。

 となると、例えば大学進学の場合、被災者に対し、受験料・入学金・授業料の減免・免除特例を設けると思います。こうした措置は国公立・私立関係なく実施されます(ただし、大学によります。措置のない大学もあります)。減免・免除の対象となった場合、私立大学でも、国公立大学の学費よりも安く通学できる可能性があります。

 「経済的な事情で国公立だけしか受験できないが、新型コロナウィルスで授業が遅れていて、この豪雨で休校が増え、家も被害を受けて、5教科7科目の準備は無理だし、もう進学は諦めよう」と思っている高校3年生の方、諦めないでください。私立大学の災害特例を探し、大学に問い合わせてください。こんな時だからこそ、大学に進み、学ぶことが地元と家族の未来のためになると信じてください。

 

 改めてですが、被災された方にお見舞い申し上げます。

 本当につらく、大変な状況だと思います。

 まず、安全を確保して天候の回復を待ちましょう。

 全国の人々が応援する気持ちを持っています。

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