私が50歳を過ぎて公務員を退職し民間に転職したのは、家族の介護という要因が大きかったです。
介護、軽度であっても認知症を伴う場合、その状況・症状は個々に異なり、デイサービス利用すればとか、施設に入れればなどの一般的対応が難しい場合も少なくありません。そもそも特別養護老人ホームには、認知症だと入居できない場合も少なくありません。
私は当時仙台にいて、家族は東京でした。
週末に東京を往復する生活でしたが、まぁ…その、土日もお仕事なんですよ。
そこで、せめて土日はフリーにしてくれ、そういう部署に異動させてくれとお願いしたのですが却下でした。
こればかりは上司ガチャですね。
幸い、いろいろなご縁があって東京の企業に転職できました。
公務員風に言うと「非正規雇用・非常勤扱い」です。週4~5日出勤で、定時帰宅。
福利厚生は正社員と一緒ですが、ボーナスなどはないこともある。昇給もないし、時間外手当はあるけど定時帰宅させてもらわないと介護の手が回らないという感じ。
収入は激減ですが、貯金は崩さない生活ができました。
ただ、結局民間でも、なぜ定時帰宅する…と約2名に徹底的にやられて2年で気力・体力を使い果たして早期退職となりました…。
そんなことを思い出したのは、能登の復興のことが気になるから。
復興にはマンパワーが必要ですが、ライフラインが途絶したエリアで暮らすのはかなり難しい。で、まず高齢者を安全な場所に避難させるのですが、地元を離れることでいろいろ不安定になることも多く、家族が近くにいないとそれはそれで危ない。
それは子供たちも同じですね。
というわけで、結局一家転住となる。
変な話ですが、こういう時医療関係の資格をお持ちの方は転職も楽です。
また、ある程度の規模の民間企業なら異動させて社員の安全を確保します。
というわけで、復興が必要な地域から、復興に必要な人材がどんどん流出していくんですね。
そういうことって、当事者じゃないとなかなかわからない。
視察では気づけないんです。
民間・公務員ともに、早期退職する人のうち約2%が介護離職です。
私はその2%のうち、職場の異動・転勤などの配慮があれば退職まで至らなかったものが多いと感じています。女性の場合「産休~育休~時短勤務~通常勤務」という段階的な措置があります。
介護が必要な場合も「異動と時短」があれば…と思います。
待機児童があるように、待機老人も少なくありません。またデイサービスや施設への入居を嫌がる、相性が悪い、経済的に難しいというケースもあるでしょう。
その時、退職=無収入になるのはやばいです。
子育ても手間暇とお金がががりますが、私の体感では介護も同じかそれ以上の手間暇とお金がかかります。子供は成長しますが、介護は悪くなる一方ですから。
能登で頑張っている友人もさすがにいろいろ参ってきたようです。
今度、励ましに行こうかと思っています。