55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

男子校・女子校・共学

 

 民間から公務員に転職して、「これが公務員の世界?」と思ったこと(違和感)があります。ただ、その要因を考えると大きく2つではないかと思いました。その一つが、「男子校文化・女子校文化」です。

 

 私自身は、都内の共学私立高校出身です。大学も人文系でしたから、男女比で言えば女子の方がやや多めという環境で育ちました。で、公務員に転職すると、何せ平成初期ですから、まぁ男性多め…。所属部署全員男性ということもありました。

 で、男性の多くは、男子校出身が圧倒的に多い。

 東京勤務の場合は都内の私立中高一貫男子校、地方勤務の場合は地元の公立進学校(男子校)が過半数を占める。女性の場合も同じ。都内の中高一貫女子校や公立進学校(女子校)出身。

 で、こういう人たちに共通の特技は「エール」。

 いわゆる「応援練習」があって、そこで身に付けている。

 もちろん、普段はとてもスマートで洗練された仕事ぶりなのですが、少しお酒が入ったり、会議が白熱してくるとスイッチが入る。共学出身者よりも、「距離をつめてくる」感じ。

 

 で、最初は戸惑いましたが、そこで思い出したのは、「どくとるマンボウ青春期(北杜夫)」。旧制松本高校に入学し、至誠寮で暮らした作者の体験を記した作品。

 要するに「逆説文化×ハイコンテクスト社会」なんですね。「バカヤロー」が誉め言葉の世界。他者に干渉はしないが、尊敬はし合う。ただ、尊敬を得るまでは周囲のマウントに耐えねばならない。自分の居場所は自分で見つけないといけない。無言実行が尊ばれ自己責任度も高い。自己解決能力も必要。

 公的な関係に「嫉妬ややっかみ」を持ち込む人もいて、そういう人から距離を置くこと・身を守ることも大切。逆に言えば、そういう人に絡まれてしまえば自己責任。そういう人とお仕事をする際は、「懐柔・根回し」して危険回避するか、「完膚なきまでに叩きのめす」かの二者択一。そのココロは、「合理的な判断、論理的な思考ができないバカ」「感情論を振り回すアホ」に正義は通じないということ。適当に機嫌とっておけ、それも仕事のうちということ。

 

 なるほどな~。これも知恵ですよね。

 で、そういう人たちと少しずつ親しくなり、お話を聞くようになります。

 で、それぞれの学校を卒業してから、「あ、これが男子校・女子校的感覚なんだ」ということにどこかで気づくそうです。そこでスイッチの切り替えが可能になるとか。

 逆に、「あの人はまだ気づいていない」というケースもあるそうです。上司からの評価は高いが、同期・同僚からの人望は薄い人に多いとか。そういう人が出世すると、「部下を壊す」か、「ハラスメントで自滅」することが多いそうです。

 

 で、そんな世界に迷い込んだ共学出身の私は、希少種。

 評価は、バランス感覚は秀でているが、お仕事や昇進の意欲が薄い。

 そういう私は、「部下を壊すことの多い上司」「根回し・懐柔が必要な議員」「感情的なクレームが予想される業務」を担当することが多かったような…。よく言えば「私しかできない」、言い換えれば「アイツにやらせとけ」ですね。新規業務・プロジェクト業務が多かったのもそのせいだったかもしれません。スクラップ&ビルドで言えば、「スクラップ担当」。

 

 で、これは「公務員の世界に独特なもの」ではないということ。

 世界でも日本でも、「男子校・女子校」はマイノリティーです。でも、それぞれの持つ文化の影響力は大きいですね。

 一応、誤解がないように付記しますが、「すべての学校を共学に」という考えはありません。「男子校・女子校」という選択肢があった方がよいと思いますし、そこで磨かれる才能、そこが居場所となる生徒さんもいると思っています。

 また、「共学だからバランスがよい」というわけでもありません。それは、個人の資質によるものが多いはず。

 そんなことに気づいてから、「ハイコンテクスト文化の中での合意形成」を考えるようになりました。ハイコンテクスト文化(たとえば漢であることを求められる組織)における多数決は正しいのか、それは無意識に強要されたものではないか、思考停止していないか…です。

 

 これを、今のお仕事に少し活かしています。

 来年は、論文にまとめたいものです。