
◆転勤族の子供だったので
父は、民間企業の勤務でしたが、その割には転勤が多かったです。
おかげで、私は小学校を3回変わりました。
中学は兵庫県神戸市で卒業しましたが、高校は東京の私学に入学。
つまり、神戸市の中学3年生の時、新幹線に乗って上京し、東京の高校を受験したってことです。今思えば、模試も受験せず、過去問を解いて受かりそうな学校を自分で見つける・決めるという高校受験。よく受かったものです(笑)
◆転校を繰り返すとどうなるか…
人によると思いますが、私の場合は「算数」でつまづきました。
九九に入る前に転校したら、新しい学校で九九が終わっていました(笑)。
同じ悲劇は「円周率」でも。「πって何」とパニックになりました。
そんなわけで、文系に進むことになる、センターテストを回避して私立大学に進むことになる伏線はここにあったと思っています。
◆地域差は…ある…
年の離れた兄は、東京(練馬)の中学から兵庫県神戸市の中学に転校しました。
練馬の中学は、まぁ普通の中学です。一方神戸の中学は、学力が高いという評判でした。その地域が落ち着いていて、学区内の小学校からは灘中学・六甲中学などに進む人も多かったのです。
で、兄はこの転校が転機になりました。成績がぐんと上がったのです。
どのように上がるかと言えば、たとえば、練馬でオール3だとすると、神戸でオール4になるという感じです。そうなるとモチベーションがあがりますね。というわけで、兄はそこそこな高校に進み、そのまま関西の某国立大に進みます。
この事実は、同じ中学から東京の私立高校を受験する私にとって、最大の恐怖でした。神戸のオール3は、東京でオール2になる…という恐怖です。
◆転勤族の悩みは子供の教育
理想は、一家で引っ越し、子供は地元の小学校・中学校に通うことです。
しかし、赴任期間は2~3年です。転校先の学校で、友達と一緒に卒業することは難しいです。公務員への風当たりが強めの地域であれば、子供への影響・心配もあります。そんなわけで、転勤多めの解決策はこんな感じ。
①単身赴任(結局これですね)
②小学校までは一緒に引っ越すが、中学段階で「寮のある中高一貫私立」を受験
私の周辺の人にはどちらかが多いというか、どちらかしかないですね。
で、公立・私立の学費の違いを除けば、経費はほぼ同じ。要するに、家族1人が離れて暮らすにあたり、それが子供でも父でも経費は同じってことですね。「寮のある学校」となると東京より物価の安い地方が多いので、子供の寮生活の方が安上がりというケースも少なくないようです。「子供が鉄道好きなので、夏休みは青春18切符で往復する」「部活動も込みで学校を選んだので、夏は練習試合で帰ってこない」「子供に会うという理由で旅行できる」とか、それぞれ楽しんでいました。
◆子供時代にいろいろな地域で暮らすことは体験学習でもある
前述のように、算数・数学などの躓いたのは事実です。
一方で、言葉の違い、文化の違いに興味を持ったこと。特に関西で過ごし、関西方言を知ったこと、源氏物語・平家物語の舞台を歩いたことは、文学・歴史への興味をかりたてました。高校で古典が得意だったこと、文学作品の舞台を歩くことで作品の理解が深まったことは、転校がなければできなかった得難い経験と言えます。
ただ、各地で「東京からの転校生」と言われ、腫物、もしくはいじめの根拠とされたことも少なくないです。大人になった今では、それも経験と言えますが…。
◆実際どうするかは、子供とよく話し合い、子供の考えと気持ちとが優先でしょう
今は、塾や予備校がありますから、学力の不安は解決する手段があります。
中学受験対策も進んでいますからね。他県への受験でもデータがあります。そもそも、ネット経由で学べますから、どこにいても大丈夫(笑)。「受験校選択、合否予測」は、昔よりも不安はないです。
問題は、子供がどうしたいかです。
家族と暮らしたいなら転校覚悟。自立心があるなら寮生活。どうせ寮生活なら海外という発想もあります。
子どもが、親に忖度せず、本当の自分の気持ちに気づき、それを言葉で親に伝えることのできる関係性の構築ってのが大事ということ。
ま、それが一番難しいのですけど…