55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

早期退職×信州移住の幸福(その1)

 

松本市に移住して1年少しになります

 移住当初は、自粛生活優先でした。

 せいぜい、上高地乗鞍高原、白馬あたりに紅葉を見に行く程度。

 スタッドレスタイヤに履き替えずに冬を過ごしたこともあって、超インドア移住生活。「松本城×松本市図書館×市内のおいしいパン屋」の無限ループでした。

 それでも、「散歩×読書×食生活」の充実度は高く、朝起きて北アルプスを見て今日の天気を感じる暮らしは、やはり心を穏やかにしてくれました。

 

今年の春から

 冬はそれなりに厳しく、春が待ち遠しかったです。

 というわけで、今春は桜を追いかけました。もちろん、全国津々浦々、桜の名所があり、それぞれに美しさがあります。信州の桜が日本一とかそういう競争的な発想はありません。ただ、アルプスを背景にした桜が、田園風景の桜が、何だか個人的に染みるんですね…………。

 「雪解け水×アルプスと青空×桜」、つまり「音×遠景×近景」という構造は、松本で初めて体感しました。自然と人との距離感がとてもよいというか、良い意味で対等というか、そういう感じがします。里山という概念は、もっと広い範囲で見てもよいのかもしれませんね。

 

新宿中村屋の相馬夫妻のこと

 中村屋の創業者、相馬愛蔵松本市のお隣、安曇野市の出身。

 その哲学に、「お店とお客との関係性は対等」という発想があるそうです。

 それを聞けば、まだ短い松本生活ですが、いろいろ腑に落ちることがあります。

 今の世の中は「お客様は神様的な欲求」が表面化しやすいです。もちろん「お店側」が商売で成功するためには、この発想が必要だと思います。ただ、「お客様が自分を神様」というのはどうかと思うんですけどね(笑)。

 「お客様は神様」という価値観に寄っていると、「対等」という関係性は「保守的」に感じることもあるかもしれません。でも、電子決済が中心の世の中で、現金払いの個人商店のパンがおいしかったり、スーパーのレジで一円玉を探しながら出すお年寄りにイライラしないで暮らせるのは、「対等」という関係なのかもと感じています。

 

おいしいところを頂いています

 松本で暮らしていますが、「お仕事×収入」は東京から得ています。

 松本からは1円もいただかず、生活費と税金は松本に支払っています(笑)。

 でも、信州からは「自然と人間との対等な関係性」「店主と顧客との対等な関係性」というものを感じたり学んだりしています。

 いい意味でよそ者でいることって移住生活では大事かもしれません。私自身は東京の出身ですが、そこには愛憎入り混じった感情があって結構苦みもあります。松本では良い意味でよそ者でいることで、苦みを避けること、苦みの意味を知ることができているのかもしれません。

 そのことが、価値観や感覚の無意識の偏りの修正をしてくれています。

 年を取った人間、組織を離れた人間にとって、価値観のバランスを学ぶ・感じる・修正することができる環境は、とても幸福です。