55歳で退職したおじさんのブログ

投資・副業・役職経験のない平凡なサラリーマンでした。贅沢しなければ辞めても暮らせる程度に貯まったので早期退職。「健康で文化的なビンボー生活」を楽しみつつ、旅行、沖縄、小説、アーリーリタイア、健康、メンタルヘルス、シニア、ライフスタイル、不動産購入、ブログ、日々の暮らしなど記していきます。

Go to Travelで文学散歩=「姥捨」(大和物語)の舞台を訪ねる

テーマ「文学散歩」

 文学作品の舞台を訪ねるのが好きです。

 今回は「姥捨」(大和物語)。自宅から一般道で4時間です。

◆目次

  

JRの「三大車窓」「棚田」で有名

 JR姥捨駅に立つと、左手に「善光寺平」が広がります。この「善光寺平の夜景」がJR三大車窓のひとつ。スイッチバックもあって、鉄道に詳しい方ならワクワクがとまらないと思います。

 右手には「棚田」が広がります。「日本に産まれてよかった」としみじみ思う風景です。

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                           JR「姥捨駅」のホームから              

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           (善光寺平。正面奥が長野市内)

姥捨伝説

 小説「楢山節考」(深沢七郎)で有名になりました。

 「棄老伝説」とも言われ、足腰が弱って動けなくなった老人、元気でもある年齢に達した老人を山に捨てるという村の掟。

 ただし、この伝説・伝承については学問的に諸説あり。背景にある「農民の貧しさ」「口減らし」的な要素については異論があります。

  

大和物語では

 両親を亡くし、祖母に育てられた男が主人公。

 この男の妻が、年老いて腰が曲がって来た祖母を憎み、男(夫)に、祖母のあることないことを吹き込み「山に棄ててきて」と責めます。困った男は、月の明るい夜「山のお寺でありがたい法会があるから」と言って祖母を連れ出し、山に棄ててきます。

 つまり、発端は「嫁姑の関係性」(姑と言っても夫の祖母ですが)。ただ、祖母が嫁にいじわるをしたのかどうかはわかりません。原文を読む限りでは、「嫁の性格」に問題がありそうに感じますが…。

 帰宅した男は、山の上に照る月を一晩眺め、

         「わが心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て」

 と詠み、祖母を迎えに行って連れ戻します。

 

姥を置いた場所??

 実にそれらしい場所があります。

 向かいの山の上に「姥捨山に照る月」が掛かります。

 姥はこの岩の頂に座って何を思ったのか…。 

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        「祖母が棄てられた場所」と想像してしまう岩

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        岩の頂上からの風景(向かいの山の上に月が出ます)
 

 小説だけでなく古典文学も好きです。周囲からは珍しいと言われますが(笑)。

 作品の舞台を訪ね、同じ風景に身を置くと、文章だけではわからなかった「深い想い」を感じ、登場人物や作者と一体化するような気がします。

 単なる自己満足なのですが(笑)、この先の人生、文学と旅とで豊かな精神生活を送りたいものです。