そろそろ外でカレーを食べて自分のカレーの味を確かめたい
ロッテの佐々木投手が、いよいよアメリカにというニュースがあります。
あんまり好意的ではない記事が多いですね。
佐々木投手は9歳の時東日本大震災を経験しています。
自宅やご家族を失われていますから、かなりつらい思いをしたと思います。
以下は、個人的な感想ですが…
誰しも大きな経験をすると人生観がちょっと変わります。
関係者で話題になることはあっても、客観的なエビデンスはない感覚的な話題であることを最初にお断りしますが…、たとえば東日本大震災を経験した人の中に、「先を急ぐ傾向」を見せる人が多いです。
言い換えると、自分の考えの実現に一直線なんですね。
なぜそうなるかと言うと、「世の中何が起こるかわからないから、何かを失う前に後悔のない人生の選択をしておかないとという思考が強くなる」という傾向が生まれるからです。この思考とは「震災で亡くなった人、復興に協力してくれた人、自分を支えてくれた人への恩返しをしなければならないという強い使命感」です。この使命感が自己の中に強迫観念的に根付いて自分の思考を支配するんですね。
私は佐々木投手を知りませんが、佐々木投手と同世代の東北の若者とは少し話したことがあります。
彼らの故郷や復興への思いは強いです。しかし、震災・復興の現実と世間のイメージの乖離に悩み絶望することも多いです。そういう現状で、故郷・復興のためにはどうすればよいか、自分はどう生きればよいか…を考えた時、「よい意味で世間を利用すること」「人や世間に頼らず自分で稼いでそれを故郷に還元すること」が思い浮かびます。
たとえば、大手企業に入って商売のノウハウを学んでから起業。
たとえば、自分の能力を最大限に評価してくれる場所で稼ぐ。
そういう意味で、日本的終身雇用やそれに伴う安定志向はないことが多いです。
むしろ、自分の能力を最大限発揮できる場所・評価してくれる場所・稼げる場所を求めます。それは一般的には「わがまま・守銭奴・もっと大事なものがあるだろ」という批判的評価になることが多いです。しかし、彼らにとっては「自分の力で稼いだお金を、故郷・復興に還元するという使命を果たすための現実的思考」なんですね。
ロッテで学ぶことは学んだと感じたのかもしれません。
もっと稼げる場所からのオファーもあります。
2年待って得られる契約金・球団が得る移籍金より、今行った方が稼げるならば、今行くでしょう。
彼は自分の名誉とか自分のための稼ぎを求めているわけではないはずです。
今行って、たくさん稼いで、早く恩返ししたいという、そういう思考にとらわれて先を急いでいるような気がしてなりません(個人的ですが)。そういう気持ちがなかなか理解されないのも、震災の現実と世間の認知のギャップなんですね(個人的ですが)。
いろいろあるんですけど、佐々木投手には頑張ってもらいたい…という気持ちと、アメリカが彼を受け容れてくれることを祈る気持ちが強いです。
で、アメリカで長く野球を続けて、たくさん稼いで、大船渡や釜石に還元してくれるといいなと思います。そのことでたくさんの人を幸福にして欲しいと思います。
世間的にはダークヒーローのようになりつつありますが、また彼の背後に大手代理店やよくない大人がいるのかもしれませんが、まず渡米してそういう空気感や人々と距離を置き、いい意味でのアメリカ契約社会で成功して欲しいです。
今、若者にそういう思考が広がりつつあります。
そういう若者の思考を理解できない大人も増えています。
そんなことを思う今日この頃なのでした。