◆AIで作った文章の是非
学習支援の高校生との対話で、このことが話題になりました。
試してもらったのは、AIでどこまで書けるかです。
具体的には、A大学、B大学、C大学の、俗にいうAO入試の要件を読み込ませて「エントリーシート」を書かせてみました。で、どうなったかですが、これは、プロンプトなど技術的な要素もあるでしょうから、一般的な解ではないことを前提としてご理解ください。
結果は、大学が違っても、要件が異なっても、同じような文章が提示されました。
「これで、合格できると思う??」と問うと、高校生さんは、「それは…」と絶句されていました。
大学が求めているものや、自分の考えなど、いろいろ加筆しないと成立しないというのが現段階での感想。
試しに、「走れメロス(太宰治)」の読書感想文を、複数のAIで書かせても同じような結論がでました。こちらは、AIによって内容は結構異なります。高校生さんの感想は、「提出の前日にAIに書かせて、提出するには十分。ただし、提出はできるが、それ以上の評価にも、自分の経験にもならない」でした。
◆どういう視点が必要か…
まず、使ってみる、使い倒すことが必要だろうというのが高校生さんの意見。
その上で人間に求められるのは、「ファクトチェックの能力」「書かれた文章から自分の考えを確立すること」になるということ。つまり、自分で書くこととあまり変わらない。
ただし、よくある「書き出しをどうするか」「資料やデータを集めるのが大変」などの悩みは減る。とりあえず形になった文章ができるので、ここから書き始めることができるのは、書くことに苦手意識を持つ生徒さんにとっては大きい。
「禁止」という意見については、実際に使ってみると、その意見を主張する気持ちもわからなくはない。これを「ずるのために使う人」もいるだろうし、「限られた時間の中でより高い学びを達成するために使う人」もいるだろう。
利用の方向性が後者になればいいなと思う。そういう前提を共有することが大事なような気がする…。でした。
◆協働って、アウフヘーベンだよね…
論点を「禁止するか、しないか」という、「多数決で決定できるような二分法で設定」しても、あんまり意味ないですね…という声も。
そうですよね、ヘーゲルっぽく、いろんな意見をピピっとアウフヘーベンする発想を持つことが、たぶん協働。
多数決の決定を超える発想を導くのが話し合い。合意形成の上を目指さないと創造的解決にはたどり着けません。求められているのは、そこなんですね、AO入試。
というわけで、次回は、システム思考の演習でもやりましょうか…。
大人がコントロールするのではなく、生徒さんが進む方向についていく感じ。
学外の人間が行う学習支援ですから、そこで求められているのは、やはり自由。
〇×で結論付けれられる世界から解放されて、自由に考えることができる場になっていれば幸い。
それだと、私も心地よいです。