◆初めて教育系部署に入った時のこと
いわゆる春休みから始業式までの間に、学校の「クラス編成」について、たとえば「○○さんと同じクラスでないと子供が学校に行かないと言っている」という電話がかかってきます。そのお話を聞くだけで1日終わることもあって、以降、4月はそもそも繁忙期でしんどいのですが、さらに憂鬱が増しました。
対応としては「拝聴する」に徹するわけですが(もちろん、学校側に問題があるかどうかは意識していますが)、私の場合、聴くだけでかなり参ってしまうタイプで、帰宅後に発熱することも…。
◆沖縄赴任後は…
現地で沖縄の歴史を知ると、なかなかつらいことも多いです。
そもそも沖縄戦は、4月1日から始まっています。ちなみに、昨日「4月7日」は、戦艦大和が沈没した日。そして6月23日に、牛島司令官の自決をもって戦闘が終了したということになっています。この日、沖縄県内はお休み(慰霊の日)です。
新年度の初日は、かつて米軍が上陸した日。ただでも高温多湿で、雨季でもある時期に、起伏の激しい沖縄で激しい戦闘があったわけで、そこで多くのことがありました。
沖縄戦で亡くなったのは、米軍との戦闘だけではありません。日本兵によって理不尽に殺された沖縄の方も多いのです。いわゆる「内地の人間」が、そういうことをしたわけで…、私もその「内地の人間」なわけで…、そういう体験をした方、家族を失った方がまだご存命なわけで…。
そういう事実を知るたびに、何とも言えない気持ちになりました。
◆組織からも、沖縄からも離れた今は…
心を寄せる、思いを馳せることしかできません。苦しんでいる方、悲しみを抱えた人の心が、少しでも和らぐことを祈るしかできません。
「書籍で学ぶ歴史」と「現地で知る歴史」とのギャップの大きさは、沖縄が一番大きかったです(個人の感想です)。今は、そこで学んだことを、少しずつ言語化している状況です。
◆震災と沖縄とを経験してわかったことは…
戦争とか、震災とか、貧困とか…そういうことを語ることの難しさ。
難しさには両面があります。まず当事者の方が、「言葉にする」「人に語る」ということの難しさがあります。もう一つは、そういうことを「聞いてくれる人」となかなか出会えないのです。というか、世の中には「聞いてほしい」「聞きたい」という人もいれば、「忘れたい」「知りたくない」という人が混在しています。そういう中では、「語らない」「聞かない」という空気感が全体を支配しやすいですね。
となると、これを表現する・伝えるには、アート化するしかないわけで、演劇・音楽・小説・映画・絵画・造形・ドキュメンタリーの価値は、そういうことなのかと思ったりもします。となると…、私の中のモヤモヤは一生言語化できないかもしれません。
とりあえず、来年、久しぶりに訪沖してみようかと思う今日この頃です。