◆経験しているからって偉そうに…
少し前「都会の風を吹かすな」という言葉が話題になりました。
都会から、地方へ移住した人が…という文脈でしたね。
似た流れで、「被災者だからって偉そうにすんな」と初対面の人に言われたことがあります。その人もいろいろ言いたいことがあるようですが、どう対応すべきかは未だにわかりません。初対面ですからね。
東京出身で、東北で震災を経験した私は、どうすればよいのでしょう(笑)。
ま、ひとえにわが身の不徳のいたすところですが…。
◆まだ未消化な思い
そういうものは、誰にもあると思います。
これを消化するには、「アウトプット×誰かに聞いてもらうこと」が必要で、つまり、「受け止めてくれる」という体験があれば、その人の中で止まった時間が少し動き出す可能性があります。
ただ、そういう段階を経ないまま時間って経っていくものなんですけどね。そういう人の方が多いとも言えます。それは、震災とかだけに限らないもので、震災だけが特別というわけでもないと言えます。
◆これからは
で、震災から12年経ちました。
その時何があったか…を話すことに意味があったのですが、そろそろフェーズが変わりつつあります。その時のことだけでなく、その後のことを客観的に検証することが始まっています。それは、「自然災害に備える」という重要ですが、シンプルな論点にはとどまりません。
日本の社会課題と向き合うことになります。
そこから、未来に向かうことになります。
論点は増え、議論は複雑化しますし、過去の扉を開けることにもなります。でも、過去に蓋をしたままだと、未来の扉は開かないのです。でも、蓋を開けることは、誰かの恨みを買うこともありますし、タブーに触れることでもあります。
重いです。
◆当事者にはできなことかもしれない
未来は若者のものです。
復興や支援も、若者に託すフェーズと思います。公務員を辞めたこと、早期退職を決めたこと、それぞれには、そういう思いもあります。
経験者だから言えないこと、できないこと、口をつぐんでいることもあります。
となると、その人たちに代わって、課題を考える人が必要になります。
そういうこと、というのが現在地のようです。
私は、少し離れたところから、自分なりに考えてと思っています。