◆少しポジティブな仮定
とはいえ、早期退職してよかった…としみじみ思うこともあります。
早期退職のネガティブ要素とは、結局
①世間とのつながりが断たれる
②経済的な不安がつきまとう
③現役時代の価値観から抜け出せない
に集約されると感じています。これを、ポジティブに転換できれば、早期退職生活の満足度・幸福感・解放感が高まります。
私の場合は、今、この入り口にたどり着いたのかもしれません。
そう考えるのは、「もし、定年まで働き続けていたら」という仮定です。
◆経済的な不安を楽しみに転換しつつある
電子家計簿の将来予想は、「85歳で破産」です。あまり笑えません。
そんなわけで、ここまでは「必要にかられて」「破産の恐怖を主たる動機として」「我慢の精神を自己に強いる」というマインドであったことは事実です。もちろん、「窓際でも妖精さんでも構わないので、定年まで月給泥棒しとけばよかったかも」という思いがあるのは否めません。
しかし、もし定年まで勤務していたら…、たしかに資金的には今より余裕があります。ただ、資金的に余裕があるが故に「浪費×贅沢」に気づかなかったと思います。それが「老後破産」を招く可能性もあったと思います。
資金面の不安はありますが、「支出の削減」「生活規模の縮小」「モノをもたない暮らしの快適さ」から、「早期退職×ビンボー生活」を楽しむマインドも生まれました。
早期退職をしたことで「知ったこと」「学んだこと」「身に付いたこと」が増えてきたということですね。これが、3年目の終わりの幸福感を導いてくれているようです。
◆そもそも仕事を続けていれば…
収入面では比較になりませんが、早期退職後にご縁があっていただくようになったお仕事は、とても勉強になっています。現役時代にやろうとしてできなかったことを実現してくれている部分もありますし、現役時代の過ち・勉強不足に気づかせてくれることも多いです。
何より、組織を離れてどのように収入を得るのか…ということを体験できているわけで、また組織の外から組織を見るとどのように見えるのかを学べるわけで、これは私自身の視野を広げてくれています。
同様に、大学で学べる時間があるのも、とてもありがたいです。
新しいお仕事と大学での学び直しは、仕事を続けていれば難しいものでした。
何より、定年まで勤務した場合、今のお仕事を得ることができたか、大学で学ぼうと思えたか…というと、否定的な答えしか浮かびません。
私のことですから、組織の中で人生を終え、学び直しをしないままであれば、今手放そうしている過去の中で、ずっと暮らし続けたと思います。しかし、早期退職したことで、少し未来を見ながら考えることができるようになりつつあるのかもしれません。
◆世間的なつながりから解放される
お仕事の人間関係は、断捨離が進んでいます。というか、断捨離されているのでしょう。もともとそういう程度の価値の人間だったということですね。
一方で、ものすごくご無沙汰していた大学時代の仲間(サークル・ゼミなど)との関係性が復活してきました。要するに、利害関係のない、学生時代からの気の置けない人間関係ですね。
私の場合、たわいもない世間話や近況報告をしあいながら、共感しあえる関係性って、ここにあったようです(笑)。そういうことに気づけたのも、早期退職という少し人と異なる選択をしたおかげかもしれません。
と、つらつらわかりにくい文章というか、無理やり言語化してみてわかってきたのは、文字通り心境の変化、マインドの変容が始まったというか、表面化してきたのかもしれません。それが、今心の中にあるモヤモヤの正体ですね。
モノだけでなく、過去も手放すことを、無意識に進められるようになればと思います。それが、「アンラーニング」ってことなのかもしれません。